80 初夜(※15歳以下の方は飛ばして下さい)
熱い口付けが降り注ぎ、舌を絡め合う。
時折薄く開いた目に飛び込んでくる、衣文掛けの白無垢が、妙に気恥ずかしい。
左之助さんの唇と舌と手が、何もかも食べ尽くしたいと言わんばかりに動き、刺激に体が反応する。
私も彼の夜着を解く。腹部に残る横一文字の傷跡が痛々しい。思わず指先でなぞった。
「っ! ばか、煽るなよ。……やばいな、そんな目で見られたら……優しく出来なくなっちまうだろうが」
「ん……あ、はぁ……っん……」
一層激しくなる愛撫に、声が、体が乱れる。体の芯が熱い。もっと愛されたくて、もどかしい。
左之助さんの髪を指で梳き、視線を絡ませる。あなたが欲しい。もっともっと……。
「……綺麗だ、千穂。愛してる。……いいか?」
「私も愛してる。ん……んぁっ! はっ!」
左之助さんが私を掻き抱き、貫く。走る快感に思わず仰け反る。
もっと深く、もっと激しく。ねぇ、愛して?
挑発するように口付ければ、応えるように彼の炎が燃え上がる。
焼き尽くすような激しさに翻弄されながら、恍惚の時を迎え快感を解き放つ。
何度も襲い来る波に溺れながら、互いに愛を与え、愛を奪い、一晩中想いを交わし合った。
喉が渇き、枕元の水を飲む。冷たい水が体に沁み込み、ホッとする。
「大丈夫か?」
「ん、平気。クスクス、自重しないくせに後から聞くなんて、ずるいよ?」
「んな事言ったって、ああも煽られちゃ、抑えが効かないだろ? ……な、もっかいだけ、いいか?」
「っ! ……フフフ、うん。左之助さんの好きなだけどうぞ?」
「だーかーら、それが煽ってるっつぅんだよ。明日動けなかったら、勘弁な?」
先に謝っとこう。もう、今更だが。
千穂の俺だけに見せる顔がもっと見たくて、俺だけに聞かせる声がもっと聞きたくて。
再び快楽に手を伸ばす。溶け合う悦びに身を沈め、心の求めるままに強く千穂を抱き締めた。
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