127 マタニティ・ラブ(※15歳以下の方は飛ばして下さい)

夜着を解かれると、いやでもお腹の膨らみが目に付き、恥ずかしくなる。みっともないって思わないかな?

そんな心配は、左之助さんを見て消え去った。欲望に燃え上がる雄の目。吸い込まれそうな男の目。

「綺麗だ……ちゃんと優しくするから、全部俺に預けてくれ」

まるで、生娘を扱うかのような労わりのこもった言葉と声。久しぶりとあって恥らう私に、そっと覆いかぶさる。

けして体重をかけない様に、肘で体を支え、濡れた唇を這わせる。肌が粟立つ。

肩口にチュウと音を立てて唇が吸い付くと、赤い痣が白い肌に浮かび上がる。

これ好きなんだ、いいだろ? と、すぐ消えるのにつけたがる。私も欲しがられている感じがして結構嬉しい。

やがて赤子のように口に含んだ頂を転がすように可愛がられると、堪えていた嬌声が漏れる。

「あ……いい……っ」

「フッ、知ってる」

うん、知られてる。何度も重ねた肌。私の反応で、体が勝手に教えてしまう。どこがいいのか。どうされると感じるか。

そっと軽く小刻みに歯を立てられ、体が幾度も小さく跳ねる。

足の先まで快感が走り、思わず膝で左之助さんの両脇を締めてしまう。

ザラッとした固く武骨な手が、膨らんだお腹を通り過ぎ、降りてゆく。

体が熱い。

延ばされた指が潤いを確かめ、奥の熱さを探るかのように潜り込む。

指に絡む雫が水音を立て、もっと聞かせてくれとばかりに妖しい動きで私の嬌声を促す。

大切なものを慈しむように、細かくお腹に散らされる優しいキス。

やがて舌までもがムンと薫る雫を味わい、深く差し込み、舌先で内側をなぞれば、私の限界が近づいてくる。

「左之助さん……っ、もう……あ……」

なのになぜかあと少しというところでスルリとかわされ、置き去りにされた快感が続きをせがむ。

「こっちで……な?」

左之助さんはニヤリと笑うと、嬉しそうに目を細めてゆっくりと腰を沈めてきた。

久しぶりだからちょっと苦しい。でもやめて欲しくない。そんな気持ちを表すかのように、呼吸を合わせ受け入れる。

「きつくないか?」

「うん……はぁ……あっ……」

私の表情を確かめながら、伺うように奥に進む。

「大丈夫だから……一杯……して?」

「それじゃあ……うんとよくする」

そんな宣言通り、けっして激しくぶつけることなく、でも欲しい場所に欲しいものを。欲しい時に欲しいだけ。

声が掠れるまで、可愛がられた。





「いや、酒屋の旦那に聞いたら、いくら突っついても出てこないから毎晩でも大丈夫だって言ってたんだがな?

 五郎は産むまで撥ね付けられたって言うしよ。いくらなんでもそこまでは待てねぇから迷ってたんだ。

 言ってくれて助かった。お前も……悪くなかったろ? よさそうな顔してた。一日何遍ぐらい大丈夫だ?」

「い、一回で充分ですっ!! どんな話してんのよっ!」

「よっしゃ、毎日一回な? うんと長くても一回だよな?」

「…………プッ、アハハハ!」

あのシリアスな場面と私の涙を返せ!

……なんてね。こうして笑いあってる方が、私達には性に合ってる。

後悔も罪悪感も大切な財産として心の奥の引き出しに置いておこう。

いつか取り出して懐かしめるくらい、幸せになろう。





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