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目の前には炬燵用の布団類と格闘している陽色が俺を見上げている。
『ねぇ、左之』
「ん?どうした?」
『それで最後?』
俺が持っている箱を指差している。
「あぁ、これがラストだぜ」
『じゃあ、こっち!』
もふもふと布団を巻き込みながら這い寄って来ると、俺の手を引っ張って布団の中心へと
連れて行く。
『左之の買ってくれてたこのカーペットふかふかで気持ち良いよ。』
ネット通販で5pの厚さに引かれ炬燵敷きにと買っておいた物だ。
確かにこの上でこけても痛くねぇぐらいふかふかで寝具の布団みたいだな。
『でね、中掛けのこの毛布!!肌触り良過ぎで離せないかも!!』
ウールマーク付きの毛布はその名に負けず流石の手触りで・・・
「けどよ、俺はこうしたらもっと手放せねぇけどな。」
そういって毛布を陽色に巻き付けると、毛布ごとぎゅっと抱きしめる。
・・・・毛布無くても手放してなんかやらねぇけどな。
『左之、苦しいよ〜。』
抱き付かれたまままさしく手も足も出ない陽色はくすくすと笑っている。
陽色の額にちゅっとリップ音を立ててキスをすると、その頬がほんのりと朱に染まる。
「このままだと、本当に離せなくなっちまうぜ。その前に作っちまおうぜ、炬燵。」
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