「喜べ、今日は鍋だ」
「ええやんええやん!冬に鍋!今年初鍋やでー」
「まあ水炊きだけどな。金ねえから」
「奥村くんが作ってくれるんやったら何でもええよー」

「いいか、肉は少ないからな。平等だぞ、平等」
「分かってますて。あ、俺よそうわ」
「平等な!」
「分かった分かったて。もーなんなんこの子肉一つでかいらしわあ」
「肉馬鹿にすんな馬鹿!」
「馬鹿にしとらんし、しかも関西人に馬鹿はあかんて」
「じゃあアホ!」
「…かいらし発言に関しては何も言わんのや」
「もう慣れた(えっへん)」
「もーなん!この子!かわいい!」
「なら肉をくれ」
「それとこれとは話が別や」
「…ちぇ」

「〆は雑炊にした」
「雑炊!ええね!」
「でも米も残り少ないから水で量増しする」
「…なんやそない時に食べにきてごめんな」
「いーよ、別に。雪男今日いないからどうせ一人だったし」
「若先生おったら俺多分問答無用で寮に帰されるだけやで」
「だから今日呼んだんじゃんか。その…たまには、ゆっくり二人で飯、食いてえなと思って」
「奥村くん…!今俺むっちゃ感動した!」
「…なんだよ!もういいから食うぞ!」
「いやあうまい飯あって、かいらし恋人おって、幸せやでほんま」
「…お前はいちいち恥ずかしいんだ」
「本音やもーん」
「語尾を伸ばすなきっしょい」
「まさかのツンデレ発動!」

(鍋は二人できれいに平らげました)

「…さ、片付けもしたし…お風呂入ろか」
「沸いてるから入ってこいよ」
「ええー一緒に入ろや」
「やだよ!」
「なんで!」
「狭いから!もっと言えばお前絶対一緒に入るだけじゃ済まねーから!」
「そりゃあまあ…健全な男子高校生やで」
「健全な男子高校生は男にヨクジョーしたりしない」
「そんなことないで。やって奥村くんかいらしもん。な、ええやん」
「…だから狭いからやだって」
「(よっしゃもう一押し!)今日寒いし二人で入ったほうがあったかいでー」
「…今日だけだぞ」
「(よっしゃー!)うんうん、ほなすぐ入ろ」
「何もしないからな!風呂入るだけだぞ!」
「はいはいわかっとるて(一緒に入ってもたらあとは流されるがままやもんなー奥村くん)」

(どたどたばったん!)

「りーんー!腹減った何か作れ!」
「シュラ!?」
「ビリーいないって言うから遊びに来た喜べ…お、志摩じゃん」
「飯もう食っちまったし材料ももうないんだけど」
「まじでー?じゃあ買いに行こうぜ」
「金がない」
「上一級なめんな」
「おおお!」

「じゃーあれだ、これで買って来い」
「何か食いたいもんないのかよ」
「何でもいーい。お前が作ると大抵うまいから」
「肉!肉にしようそうしよう!行ってくる!(尻尾ぶんぶん!)」

「…なあ志摩」
「なんですか」
「なんていうか…邪魔してごめんにゃ」
「思てるんやったらやめて!」
「いーじゃんいーじゃん、うるさいのいないし今日は呑み明かそうぜ!」
「グッバイ俺と奥村くんの甘い夜!泣きたい!」
「泣くなようっとおしいから」
「えっ何で俺こんな扱いなん。ひどないですか」
「あーはやく燐帰ってこねーかなー」
「無視!てか先生あんま酒飲まん方がええんちゃいますか」
「まだまだ足りにゃーい!酒!酒持ってこーい!」
「あかん完全酔っとる!はよ帰って来て奥村くん!たすけて!」



志摩ごめん。しかし後悔はしていない。

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