目を離すと君は


「お嬢様、今度の休日はご予定はおありですか?
実は週末、休暇を頂くことが出来ましたので、たまには2人でどこかに出かけたいなと思いまして」

「っ…!要さんっ!」

ソファーに座っていた私はばっと立ち上がり、要さんの胸に飛び込む。

「…奏っ!?まだ仕事中ですよ!?
…ふっ、可愛い子だ。」

あっ…敬語が…///
付き合っていても、なかなか敬語が抜けない要さんが、ふいに敬語じゃなくなる瞬間が、私を堪らなくドキドキさせる///

頭をふんわり撫で、執事の顔でおやすみなさいませと微笑み、部屋を出る要さん。

私はどきどきして眠れなかった。

要さんとデートだ、どうしよう///





コンコン。

「お嬢様、準備は宜しいでしょうか?」

ノックと共に、待ち望んでいた声が聞こえ、私は慌てて扉を開ける。

部屋の前には私服姿の要さんが、笑顔で立っていた。

うわぁ…私服もとても格好いい///


「では、参りましょうか。」

私は背伸びして、そう言う要さんの唇にそっと人差し指をあてる。

「…今日はデートなんだから、敬語は禁止ね?」

驚いた要さんの表情は次第に柔らかく微笑む。

「あぁ、わかったよ」

要さんは私の事を引き寄せ、頬にキスを落とす。

「…っ///要さんっ!?」

「ちょっと大胆過ぎたかな?」


執事の時には絶対見せない不敵な笑みを浮かべる要さん。
この顔も好き…。
私だけ特別という感じがして嬉しくなる。


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