『親愛なる御堂要さま』
9月、新学期の始まり。
そして、御堂さんのお誕生日。
いつもみんなのお世話をしてくれる御堂さんのお誕生日をみんなでお祝いしてあげたい!きっと喜ぶだろうなぁ。
でも、今年は平日。あんまり凝ったことは出来なそう・・・。しかも、屋敷のことは
全部御堂さんが仕切っているし・・・。
そうだ!あの人に頼もう!!
コンコン
「お嬢様いかがなされましたか?」
私が訪れた先は柊さんのところ。
きっと柊さんなら力になってくれるはず。
「柊さん、ちょっと相談があって・・・」
「私にですか?珍しいですね・・・。ではこちらにお座りください。」
そして柊さんに私の計画を話しはじめる。
全部聞き終わると、ニヤリと笑い
「いいでしょう。御堂さんが驚く顔、私も見てみたいですしね・・・」
それからお兄ちゃんたちと瞬くんに2日は早めに帰宅してもらうようにお願いした。
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そして、9月2日。
いつものように御堂さんが私を起こしに来てくれる。
「おはようございます。お嬢様。」
「おはようございます!御堂さん。」
元気に挨拶をすると、ふふっと笑う御堂さん。
「私、何かおかしいですか?」
あわてて髪を触ってみたり制服をチェックするもどこもおかしくない。
「いえ、失礼いたしました。あまりにもお元気な挨拶でしたので・・・」
そういうとまだ笑いをかみ締めながら、ご朝食の支度ができておりますよ
というと部屋から出て行った。
私、そんなに態度に出てたかな・・・。今夜のことを考えるとウキウキして
楽しみで仕方なくって・・・。まぁバレてないからいいか?
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いつもの夕食。雅弥くんと裕次お兄ちゃんは相変わらずじゃれあってる。
そんないつもの食卓。みんながご飯を食べ終えると、御堂さんがお茶の用意を
する為に、食堂を出て行った。
そんな御堂さんを見届けると、みんなでこっそりと談話室へ移動した。
そこには御堂さんのために用意した、バースデーケーキが。
急いでろうそくに火を付けて電気を消す。
もちろん、みんなの手にはクラッカー。
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