素直になれない
はぁっ…はぁっ…
時計の針は10時をまわり、汗が額から一筋流れる。
私は今、慣れないパンプスと格闘しながら走っていた…
そして公園のベンチに座る人影に走りよる
『雅弥君っ!!!』
大きな声で名前を呼ぶと彼は振り向きニカッと笑った
「おう!やっときたかっ」
ベンチの前までたどり着いた私は、荒くなった息を整えた…
なぜ私と雅弥くんが待ち合わせをしたか、それは朝のこと……
朝食をとった私は、休日という事もあり自分の部屋でくつろいでいた。
すると突然携帯が鳴り、画面を確認すると少しだけ早まる鼓動…
それを悟られないように出れば雅弥くんの声
「ぁ、あのさ!映画のチケットもらったんだよっ!暇なら行かねえか?」
突然の誘い…でも答えは一つしかなかった
『行くっ!』
そして電話を切ると大急ぎで支度を済ませ待ち合わせの公園まで、私は走っていた。
「じゃっ、行くか!」
二人きりで出かける事なんてないから、ドキドキするな…
しかも雅弥くんから誘ってくれるなんて///
ふふっ、デートみたい……
「何一人で笑ってんだよ?」
雅弥くんの言葉でハッと我に返る
どうやら無意識のうちに頬が緩んでたみたい…
うわぁぁ〜恥ずかしい///
『ま、雅弥くんだっていつもより嬉しそう!!』
「なっ///バカッ!そんなことねぇーよ!!」
プイッとそっぽを向いてしまった雅弥くんの顔は、ほんのり赤いような気がしたんだけど…
気のせいだったかな?
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