ようこそ☆禁断の世界へ
御堂Side
ドクン…
(っ///)
ドクン……ドクン……
(………私は一体……どうしてしまったんだろう……///)
高鳴る鼓動。
動機、息切れ。
そしてクラクラするようなめまい……
これは……
「はぁ……///」
「……どうかしましたか?御堂さん。」
突然、柊さんに声をかけられる。
「っ!!!ひ、ひひひ、柊さんっ!!///」
「……?……なんだか顔が赤いようですが…お風邪でも召されましたか?」
「っ///だ、大丈夫で↑すぅ↑……///」
(うっ!!まずい!!緊張で声が裏返った!!///)
「しかし……真っ赤ですよ?……午後からお休みをとられてはどうでしょう。仕事なら私が……」
「い、いえ……本当に大丈夫でしゅから!!///」
(ああっ///噛んだっ!はずかしっ///)
「そう…ですか?」
「ええ、あの、お気になさらず///」
「……それでは、失礼いたします。」
そう言ってぺこりと一礼し、柊さんは執事室を後にした。
「……はぁ……し、心臓が…痛いっ…///」
昨日から、どうも調子が狂う……
柊さんを見れば胸がキュンとするし
柊さんが近づくだけで心臓がトクトクと脈打つ。
(っ///……男性に興味はなかったはずだが……もしや私は…そっちの道に足を踏み入れてしまったのか…!?)
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夜。
仕事を終えた私は、近くの書店まで足を運んでいた。
(ボーイズラブ……ボーイズラブ……)
「…あった……これだ……」
絡み合う男性達が表紙の一冊の漫画を手に取る。
「……よし。」
一世一代の勇気を振り絞り、私はレジへ並んだ。
「……550円になります……」
しらっとした店員さんの目……
(っ///気を強く持て!!御堂要!!男性を愛してしまった以上、マニュアルは必要なんだから!!)
「っ!!…お…おつりはいりまてん!!!」
1000円札を渡し、そそくさと書店を後にする。
(っ…か、買ってしまった……買ってしまったぞ……///)
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家に帰り、さっそく本をめくると……
(!!っ/////こ、これはっ///)
そこには、予想をはるかに上回る禁断の世界が広がっていた。
(っ///こ、こんな事をするのか!?……男同士で、こんな…こんな……///)
「っ……受け…攻め…?そうか……!」
(……柊さんはどちらかというと「攻め」といった感じだな……という事は……)
「私が受けっ!?///……うぐっ///」
一気に体が熱くなる。
「…ちなみに……私が攻めだとすると……柊さんが受けっ!?///……うぐっ///」
むくむくと妄想がふくらみ、下半身もふくら…(自粛)
(しかし……柊さんとなら私は……どっちでも頑張れるっ///)
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柊Side
(……まただ……)
最近……
というか、三日ほど前から……
御堂さんの視線が物凄く熱い。
ふと目が合い一礼すると、御堂さんは頬を染めて目をそらす。
(一体……なんなんだ?)
「…あの…御堂さん……私の顔に何かついていますか?」
「っ///い、いえ……その///」
俺の質問にもじもじと頬を染める御堂さん。
そして……
執事室に二人きりになった時、事件は起こった。
「……あのっ///柊さん!!!」
「…はい?どうなさいましたか?」
「っ///あの……あの……私を……抱いてください!!いいえ!!……なんなら私が抱いても構いません!!」
「!?!?!?!」
「っ///覚悟は出来ています!!…柊さん……愛しています……!!」
きゅっと抱きつかれ、ソファーに押し倒される。
(か!?覚悟ってなんだ!?!?何の覚悟!?)
「み、御堂さん!?ちょっと…何を…くっ///」
俺にまたがり、服をひっぺがす御堂さん。
(な、な、な、な…!?なんだ!?何がおきている!?)
「っ///み、御堂さんっ…やめ……!!……うっ///」
(ま、まてまて俺の体!!何を反応してるんだ!!)
あまりの出来事に、状況を理解できずただ呆然と身を任せていると……
「ちょっと待ってください!!!」
あわてた様子で修一様が執事室に飛び込んできた。
「要君!!気を確かに!!!」
「修一!!やめろっ!!邪魔しないでくれ!!」
「要君!!いいから待つんだ!!目を覚ませ!!」
「っ///修一!!わかってくれ!!私は……私はもう柊さんなしじゃ生きていけないんだ……っ///」
「っ要君!!!!」
バシバシと、御堂さんの頬を往復ビンタする修一様。
(な…なんだ……この…昼ドラのような展開は……)
すると……
「………っ?……修一…様?……私は……一体……???」
さっきとは打って変わって、御堂さんがきょとんと回りを見渡す。
そして……
「ひぃっ!?ひ、柊さん!?こ……これは一体……|||!?」
上半身裸の俺を見て青ざめる御堂さん。
「僕が説明します。御堂さん、栄養ドリンクか何か飲みませんでしたか?」
「栄養ドリンク……あ、そ、そういえば三日ほど前に……」
どうやら、御堂さんが栄養ドリンクだと思って飲んだのは、雅弥様がいたずらで購入したホレ薬だったようで……
「『ホレテマウヤロ』は……最初に見た相手を3日間好きになってしまうという、恐ろしい薬なんです………はあ……」
何かを思い出したように青ざめる修一様。
「た、大変申し訳ありません!!ご迷惑をおかけしまして……」
「いえ、要君は何も悪く無いです…雅弥にはよく言っておきますから…」
「修一様……」
「………私も……気にしておりませんので……どうか頭を上げてください。」
「柊さん……」
(というか……ちょっと……気持ちよかっ…………!!よくない!!何を考えているんだ俺は!!気を確かに!カオル!)
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−−−後日−−−
「……柊君、ちょっといいかな。」
「旦那様。お疲れ様です。どうなさいましたか…?」
「っ///……ハァハァ……柊君……っ…ハァハァ……///」
「!?!?」
「なんだか昨日から……柊君を見ると……体が熱くて……///こう、この辺が、キュンっとするんだが……ハァハァ///か・お・る・キュン…☆ハァ……しゅーーきっ☆」
「う、うわぁぁぁぁぁ!!!」
こうして俺は……
めくるめく禁断の世界へ足を踏み入れ……
「ない!!踏み入れないぞ!!嫌だ!!旦那様っ!!お気を確かに!!!!」
end
→雫流より
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