この想いは君だけのもの
実は最近、ちょっと悩んでいることがあります。
「…奏さん?聞いてますか?」
「え!?あ、うん!勿論!」
「それでは…この応用問題。解いてみましょうか?」
少し意地悪そうに笑いながら修一お兄ちゃんは告げる。
「う…」
「聞いていたんですよね?」
「…ごめんなさい。もう一度お願いします」
やれやれと呆れ顔の修一お兄ちゃん。今度は聞いていてねと言うとまた一から説明を始めた。
現在。修一お兄ちゃんの部屋で勉強中。試験がもうすぐ近いからなんだけれど…。
そんな中。私の頭の中は違うことで目一杯。
ちょっとした悩み事。
それは…
「はい。よく出来ました」
そう言うと私の頭をぽんぽんと撫でる修一お兄ちゃん。
この仕草。結構ドキッとするし嫌いじゃないんだけれど…
「もう。また子ども扱い」
頭に手をやりながら少しだけむくれてみる。
そんな様子の私を見ながら修一お兄ちゃんはふわっと笑ってこう告げる。
「僕からしたら、まだまだ奏さんは子どもですよ?」
その笑みは少しだけいじわるそう。
そう!悩みはこれ!
修一お兄ちゃんと付き合い始めて、もう…だいぶ経つんだけれど。
どこか子ども扱いをされてしまうのだ。
確かに年は離れているし、学校では先生と生徒。7つも離れていると、話題だってずれている時だってある。
けれど。
私は修一お兄ちゃんの「恋人」なんだから。たまにでもいいから…子ども扱いしないで見て欲しいのだ。
そんなことを毎日ぐるぐる考えていたら…試験期間に突入しちゃったんだけれど。
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