約束の日まであと2日と迫ったある日。私はまたお嬢様に声を掛けられる。
 その時、思わず周りを見回したのは言うまでもない。
「どうしたんですか?御堂さん」
「い、いえ。なんでもありませんよ。どうなさいましたか?」
「あ、あの。今度のことなんですけれど…どうせなので、どこかで待ち合わせしてから行きませんか?」
「待ち合わせ…でございますか?」
 突然の提案に少し疑問を持ったが、でも自分としてもありがたい話ではあった。
 ここから一緒では…ご子息たちからの視線に耐えられないかもしれない。何を言われるかもわからないし…。
「折角だから。その方がいつもと違って新鮮でしょう?」
 そう言う彼女は笑顔だった。私の考えていることなど知りもせず。
 でも、その笑顔が良い。笑っている顔が一番好きだから。
「わかりました。では、そう致しましょう」
 笑顔で返事をすると、彼女はまた一段と笑顔になる。

 早く、日曜日にならないだろうか。
 心の中で指折り数える。この笑顔がひと時でも独り占めできる日を。
 
 そして、前日の夜。自分らしくもない、少し落ち着かない様子で眠りにつくのだった。


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