こう思うことは結構、いやしょっちゅうだ。
 雅弥に限ることじゃない。
 学校は高校と大学だから勿論違う。「高校生奏」をよく知っている、修一兄さん、雅季、雅弥はしょっちゅう羨ましく思う。
 瞬くんも中学だから学校は違うけれど…結構庭先で話しているのを見かけたりする。
 どうやら奏ちゃんも弟が出来たことがすごい嬉しいみたいで(勿論、兄弟というものが出来たことが嬉しいのだと思うのだけれど)
 庭先でと言えば。この間は、修一兄さんと日本庭園にいるところを見かけたっけ。
 雅季とはよく書斎で勉強をやっているみたいだし…。雅弥とはサッカーのことやテレビの話題で盛り上がっているところを見かけることが多い。
 そうそう。意外と要さんと話しているところも…。
 って。
 やっぱりこれって、立派な独占欲?
 考え出すとキリがない。
 だけれど、やっぱり考えてしまう。
「こんなはずじゃなかったんだけれどな…」
 やり場のない思いを抱えながら頭をかく。本当はこんなつもりじゃなかった。
 ただ、奏ちゃんと一緒にいれればそれで良いと思っていたのに。
 だんだんと心に降り積もっていく気持ちに、正直…戸惑いは隠せない。だけれど、一度気づいてしまった気持ちを止めることは出来なくて…。

 こんな俺のこと、奏ちゃんはどう思うのかな…。

 そんなことばかりが頭に浮かぶ。
 でも、行動はどうしてもいつもの調子。
 想いと言葉と行動が上手く重なってくれなくて…出てくるのは溜め息ばかりだった。
 部屋に戻って、ベッドに寝転がる。
 天井を見つめて色々考えているうちに…気づいたら眠りについていた。


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