年も暮れ。屋敷内も年越しの準備で大忙し。
広い屋敷内の掃除が始まったり、年越しのパーティーの準備が進められていたり。
そんな中…どうしてだろう。
俺はなんだかすっきりしない気分だ。
だって。
年越しパーティーだろう?
年が明けたら…もちろん元旦。
ということは?
俺の誕生日じゃないか!
年越しパーティーっていうくらいだ。カウントダウンだってするんだろう?
パーティー会場で…!
てことは?てことは、だ。
俺と奏ちゃんの二人きりの時間は!?
恋人になって初めての…俺の誕生日。
ふ、二人きりでお祝いしたいと思っていたのに。
「この分じゃ…絶対に出来ない」
そう言って大袈裟に肩を落としてみる。
落ち込んでいる理由はこれだけじゃない。
なぜか最近…奏ちゃんとの時間が取れないでいる。
自分の用事が多いのも原因だけれど、何より…
俺、避けられてる気がする。
「ま、まさか…!」
年の暮れに来て、二人の関係まで暮れになって来てるの!?
ねぇ、奏ちゃん!
俺…俺、何かした!?
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