「そういえば。奏さん、宿題は終わったんですか?」

 少しだけ意地悪を言うように聞く。
 予想では…やっていない。あるいはつまづいてる。

「うっ。それ、聞く?」
「まだなんですか?」

 意地悪な笑顔を向けると、彼女は少しだけ目線をそらしながら答えた。

「難しいから…なかなか終わらなくて。い、今は休憩中!気分転換、気分転換」
「やっぱり終わってませんでしたか」

 笑いながら言うと、彼女は頬をふくらまして言う。

「だって、修一先生が難しい課題出すんだもん」
「おや、僕のせいでしたか」
「そうそう!修一先生のせいだよ!」

 そう言いながらも彼女は笑っていた。


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