「…ふぅん」
そう呟いた僕の顔は、どんな表情を浮かべていただろう。
瞬の手紙に何が書いてあったかなんて、気にならない。
きっと、僕が読んではいけないことが書いてあるのだろうから。
「返事くらい、書くか」
コトッと音を立ててスノードームを置けば、パッと舞い上がる溶けない粉雪。
全く、季節外れだよ。
そう思っていたのに、どうしてだろう。そんな感じは全然しない。
それは、きっと君がくれたものだからだろう。
「瞬、手紙書くんだろう?」
ガチャリとドアを開けて彼を呼ぶ。
ふわふわと舞った後、静かに落ちていったスノーパウダーはドームの下の方に降り積もる。
いつか、この積もった想いを、君に伝えようか。
ねぇ、知ってる?
告白にも種類ってものがあるんだよ。
好きに色々な形があるように、ね。
今度は、僕が奏、君に手紙を書くよ。
日本に居る、大好きな…君を想いながら。
―Fin―
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