「…何してるんだろ」
帰り道。小さな紙袋を手にため息をついた。
中身は…ビーズなどの飾りのついたヘアゴム。
この間、彼女…奏と話していたことを考えていたら、勝手に動いていた。
こんなの似合うんじゃないかとか、そういうこと。
どうやって渡そうとかどうしようかとか、何も考えずに買ったから今更ながら困ってしまった。
「全く、いつ渡すつもりだよ…」
また一つため息をつく。
「僕も…変わったな」
そう呟いて、家へと帰っていった。
家に着いてから。執事の要さんにたまたま会って、彼女がどこにいるかとか聞いたりして。しかも、咄嗟に嘘なんかついちゃったりして。
でも、なんとなくそんな自分が嫌じゃなかった。
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