「あの…御堂さん?」
「はい。どうなさいましたか?お嬢様」
すぐ横にある窓の外から聞こえるのは喧騒。
ついでにすれ違う車のライトが眩しい。
そう、今はもう夜の帳が下りた…そんな時間。
「その…どこ、行くんですか?」
私は、今思っていることをストレートにぶつけた。
「ふふっ。それは、内緒でございます。奏様」
実は、初めてではないこの質問。
その度に、御堂さんは同じ返事を返してくる。
私はその返事にも、いつもと違うこの状況にも…戸惑うばかりで。
胸の鼓動が落ち着かない。
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