「…だ、大迷路?」
つれてこられたのは、車で一体どのくらい走ったか解らないくらいの場所にあった『大迷路』と書かれた看板の前。
「これ、1回やってみたくてさー」
隣にいる雅弥くんはとても嬉しそうだ。
まぁ、私も…実はとてもわくわくしているのだけれど。
だって、初体験!
「大人でも結構時間掛かるらしいんだわ、この迷路。クラスの奴に聞いてさ、行ってみたいなって」
「へぇ…」
「それに」
「ん?」
「お前なら…奏なら一緒に楽しんでくれそうじゃん?」
ニカッと笑ってこちらを見る雅弥くん。
うぅ、それは反則。
「よし、じゃあ…出発!」
そう言うと雅弥くんに自然と手を引かれた。
「し、しゅっぱーつ」
そう言った私の声は少しだけ震えてはいなかったかな?
私の心臓はドキドキとワクワクで、破裂寸前なんだ。
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