その誘いを瞬くんから受けたのは…3日前のことだ。
 突然の誘いに少し戸惑いながらも、込み上げてくる嬉しさを止めることはできない。

「ホワイトデーの日、空けておいてくれる?」

 そう言う瞬くんは少しだけ恥ずかしそうだった。
 そんな瞬くんにつられて、私もまた少し頬を赤くしながら小さく頷いた。

 あの日…バレンタインデー以来、どこかふわふわとした距離のままの私たち。
 それは、きっとあの短いキスのせい。

 いつもと変わらない日常。
 でもどこか違って見える日常。
 瞬くんを見るたび、前よりもずっとドキドキが止まらなくて。
 だけれど、ふわりと笑う瞬くんから視線を外せない。

 そのせいか、瞬くんと目が合うことが増えた気がする。
 それは、きっと瞬くんも感じていることなんだろう。
 ふわりと恥ずかしそうにはにかんだり、時々顔を赤くしたり。
 瞬くんを見ていると、まるで自分の表情を見ているようで…なんだかおかしくなってしまったりもする。

「これで、よしっと」

 小さな小さな独り言。
 鏡の前で呪文のように呟いた。

 私は、可愛く映っているのかな?


 今日は、瞬くんと約束した…ホワイトデーだ。


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