「あ!御堂さーん!」

良く晴れた昼下がりのこと。
私はある人を探していた。

「どうなさいましたか?お嬢様」

振り返り私の姿を確認すると、御堂さんはいつものふわりとした笑顔で答えてくれた。

「あの、裕次お兄ちゃん見ませんでした?」
「裕次様ですか?いえ…申し訳ございませんが」

そう言うと御堂さんは申し訳なさそうに一礼する。

「そうですか。うーん、残念…どこ行ったんだろう」
「私もご一緒に探しましょうか?」
「ううん。大丈夫!あ、でももし見かけたら探してたって伝えてもらえますか?」
「かしこまりました」

御堂さんの笑顔はいつ見ても柔らかくて優しいなぁ。

そんなことを考えながら、私はまた裕次お兄ちゃんを探しに行った。

「もう。一体どこに行ったんだろう?」

そもそも。
なんで私が裕次お兄ちゃんを探しているのかと言うと…。


…それは今朝の話になる。


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テーマ「人外ファンタジー」
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