〜♪〜♪
「もしもし?あ〜なんだよ。えっ!わりぃ忘れてた!今から行くから。じゃ〜な」
携帯をポケットに突っ込むと、残念そうな顔の雅弥くん。
「どうしたの?」
「あぁ、今日ミーティングあるのすっかり忘れてててさ。俺、ちょっと学校戻るわ!」
じゃぁな〜と手をひらひらさせながら自転車に乗って去っていった。
「まったく、相変わらずなヤツだなぁ雅弥は」
「ふふっそうだね」
裕次お兄ちゃんと私は、二人で顔を見合わせて笑った。
「あ!奏ちゃん。そういえば駅前にすごくおいしいケーキ屋さんが出来たってうわさ知ってる?」
お兄ちゃんの顔がぱぁっと明るくなる。このお日様みたいな笑顔が私にはまぶしくって・・・。
「えっ?あっあぁ、そういえばクラスの子たちが話してたっけ」
西園寺学園の生徒とはいえ、そこはやはり年頃の女の子達。
そういった事はやはり話題にのぼるのである。
「じゃぁ〜ちょっと行ってみようか?俺は充電も完了したしね?」
そう言ってウィンクしてみせる。
私はまた裕次お兄ちゃんと自転車に乗り、風をきって走り出した。
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