どうしよう…。

 キスが止まらないや。

 キスの音がさざ波にかき消されることなく、しっかりと耳に届いてくる。
 背中に回された腕が妙に熱く感じるのは、久しぶりに奏を近くに感じれたからなのかな。

「裕次…」

 そっと漏れ出る自分の名前を、少しだけ乱暴に唇でかき消した。

 離れたくない。
 離したくない。

 今は、誰も居ないこの場所で…
 ただただ君の温度を確かめていたいんだ。

「奏…愛してる」

 そっと触れるその頬に、その唇に…

 さぁ、またひとつ…口づけを。


―Fin―

→あとがき


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テーマ「人外ファンタジー」
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