「そういえば、奏さん」
「何?」
「明日までの宿題は終わりました?」
「うん、今日はバッチリ!意地悪な社会科の先生が言ってた明日の小テストの予習まで、ね」
「おや、それはそれは…意地悪な先生がいたものですね?」
「本当です」
「…大変だった?」
「大変だったよ!小テストなのに範囲広すぎるもん!」
 腕の中で不平をいう彼女の顔は膨れっ面。
 そんな姿が可愛くて、つい意地悪をしたくなる。
「明日の小テストが楽しみですね」
「それ…雅弥くんに言ったら怒られるよ、きっと」
「雅弥?」
「鬼だー!って言ってた」
 彼女は雅弥の声真似をしながら言うと、けらけらと笑った。
 そんな様子に自分まで思わず楽しくなる。

「それは…ますます楽しみですね」

 にっこりと笑ってそう言えば、彼女は「すごい意地悪そうな顔をした」とまた笑っていた。

「それと…」
 ふわりと髪を撫でながら、甘い蜜のような声を出す。
「…宿題が終わっているなら、楽しみの時間が増えたね」
 唇をそっと耳元に寄せて囁く声に、彼女は震えた。
「修ちゃん…」
 そして重なる唇と唇。

 柔らかな温かさに包まれたら、暫くは止まらなくなるけれど…良いの?


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