そして、帰宅後。案の定、裕次お兄ちゃんにはすぐにバレた。
しかも、
「キスマーク!?誰!?そんなの付けたの!」
なんて言うもんだから、誤魔化すのが大変だった。ついでに
「奏ちゃんにそんなことするなんて…ずるい!」
とも言っていたけれど…。それはスキンシップが過剰すぎるんじゃ…。
ちなみに、その近くにはおそらくつけたであろう張本人がいたのだが、焦っている私を余所に非常に涼しい顔をして笑っていた。
あれは大人の余裕なのだろうか。
それとも、単に面白がられていたのか…。
夕食後、部屋に戻って今日出た課題に取り掛かる。
これが終わる頃にはちょうど良い時間になるだろうから…あの人の部屋に行って聞いてやるんだ。
そんなことを思いながら課題と格闘していると、静かで落ち着いたノック音が耳に飛び込んできた。
「はーい。どうぞ」
もうすぐ問題が解けそうだったから、私は視線をノートに落としたまま返事をした。
返事はなかったが、ガチャリとドアが開く。おかげで誰が入ってきたのかわからない。
誰かと思い、ふっと顔を上げるとそこには静かに笑っているあの人がいた。
「み、御堂さん!」
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