「たーくーみー?」
「な、何かなぁ?雅弥くん」

 あれぇ?こっそり来たつもりなんだけれどな。
 なんで早々バレてるの?俺。

「遅かったなぁ?何してたんだよ?」

 え、笑顔ですね、雅弥さん。良い笑顔だと思いますよ、はい。

「さっきさぁ、雅季が帰っていくところを見掛けたんだけれどさぁ、生徒会っていつ終わったんだ?巧?」
「え?あ、あはははは…」

 え、笑顔が怖いです!怖いです!

「いっつも言ってるよな?終わったらすぐ来いって!」

 ひゃー。

「い、いや、そのさ、ちょっとしたトラブルって言うか、なんていうか…その…」
「あ?」

「すいませんでしたー!」

 逃げるように部室に駆け込んで、ちょっと鍵も閉めてみたりして。

「はぁ…」

 忘れ物を教室に取りに行ってました。
 自分の大好きな彼女が告白されている現場に遭遇しちゃいました。
 間に入って「渡さない」宣言してきました。
 彼女とこっそりキスしてました。

「なぁんて…言える訳ないね」

 言えたとして、最初の部分だけです。
 仕方ないので、スパルタメニューをうけるとします。

 良いんだ、俺、頑張るから。

 だってきっと、君があの場所にいるから。

 俺の大好きで大切な
 俺だけの彼女が。


―Fin―

→あとがき


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