クロエはペルシャ猫の半獣だ。
大きなサファイアの瞳と、うっとりするほど長いまつ毛。気品を感じさせる柔らかくしなやかな体に、長毛種特有のふんわりした耳と豊かな尻尾が美しい。
クロエには全く同じ姿をした双子の弟がいた。名前をミネットといって、二人お揃いのロイヤルブルーのリボンを首輪がわりに巻いている。そこには花模様をあしらった銀細工の鈴が揺れていて、歩くたびにチリチリと繊細な鈴の音が鳴った。
鳴き声の優しい所が気に入られた二人は、休日にケイトを起こす役目を担っている。音もなく主人の寝室に忍び込むと、すっかり服を脱いでベッドの左右から中に潜り込んだ。
裸体で眠る主人の生殖器は今朝も硬く勃起している。そこからねっとりと濃い匂いがしているのに喉を鳴らしながら、さらにその奥のこぼれそうに重たげな陰嚢を左右から一つずつ頬張った。
「んっ、ふぅ、ちゅっ、ちゅる、ちゅっ」
クロエは小さな舌を懸命に使って、左の陰嚢を舐めた。大きな口を開けるのが恥ずかしくて、皺の間を舐めたり、唇でその柔らかい皮膚を食んでみたり、いやらしく脈動する血管にたくさんキスをする。これでも結構上達したほうだ。最初の頃は唇で触れるだけで精一杯だったから。
「んくっ、ん、ふ、ちゅくっ、ちゅう」
一方のミネットは小さな口をいっぱいにあけて、右の陰嚢を頬張った。今朝は特別に張っていて、濃厚な精液がたくさん溜まっている。溢れた涎で口の周りが汚れるのも構わずに、夢中でしゃぶりついた。
「……ん、はぁ……ああ、二人とも。おはよう」
やがて、ケイトがいやらしいため息をつきながら目を覚ます。
股間に埋まる二つの後頭部を同時に撫でられたのを合図に、ミネットは滾ったケイトの男性器に跨がると、そのまま根元まで深く飲み込んでしまった。
「あんっ……ケイトさまぁ、おはようございますっ……」
「ああ、ミネット。今朝も愛らしいね」
ケイトはいやらしく跳ね出すミネットの細腰を支えながら、もう片方の手でクロエを引き寄せる。
「可愛いクロエ、こちらにおいで」
クロエは、代わりにお尻を舐めてもらう。双子の弟ができているのだから自分にできないはずはないのに、まだクロエにとって本番行為は少し怖かった。
「ケイトさまぁ、んん……おはようございます」
「ああ、初々しい薔薇の蕾を見せてくれ」
言われるままに自分の指で蕾を左右に開きながら、美しいケイトの顔の上にしゃがむ。れる、と粘膜の合わさったところに舌が這わされて、思わず力が抜けた。
まるで仔猫の排泄を促す行為はまだまだ未熟だと言われているみたいだし、後ろ向きに跨がるので、はしたなく腰を振るミネットと向かい合わせになってしまう。セックスしている弟の姿を見ながらお尻を舐められる痴態は、クロエの自尊心をとろとろに溶かした。
「やんっ、あん……っあん」
「んっ……ふぅん」
クロエはミネットがうらやましかった。
ああ、あんなに根本までずっぽり……ミネットの小さなおしりに、大きなケイト様のものが出たり入ったりしている。薄いお腹がへっこむ度に、内側からごつごつされて、その皮膚が変形しているのまで見えた。
あんなにされて痛くないのかな。ううん、ミネットはすごく気持ちよさそうだ。ぷるぷる上下に振れているおちんちんからも、あんなに先走りを撒き散らして。
ふいに切なくなったクロエがお尻をきゅんと窄めると、にゅるん、と肉厚な舌が奥まで入り込んだ。
「あ…っあん!」
ぬるぬると前立腺を責められると、気持ちよくてはしたなくお尻を揺らしてしまう。控えめに喘ぐクロエの雄茎からもまた、恥ずかしい先走りが糸のように垂れた。
「あんっ、あんッ、んああ、んっ、あッ」
「ああ……やぁん、やん……う、あんっ」
まっさらな朝の光に照らされた二人のしなやかな肢体が、ほとんど同時に弓形に反り返る。
汗を滲ませて痙攣したミネットの雄茎からは、迸る様な精液が。少女の如く可憐に震えたクロエの雄茎からは、押し出される様な精液が。愛猫である二人の美少年に跨られたケイトもまた、それぞれの精液が腹部にかけられた変態的なタイミングで絶頂を迎える。
「はあ、ああ……なんて柔らかな朝だ。まるで天使に起こされた最高の気分だよ」
敬愛する主人の褒め言葉に、クロエは快感に潤む瞳をうっとりと閉じた。
美堂ケイトの華麗なる休日は、こうして幕を開ける。しかしその実態を知る者は、彼以外に誰もいない。
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