禍ノ子
 蜜蜂のエペ



No.6 蜜蜂のエペ

蜜蜂型 15歳 オス

南国の花畑で集団生活を営む
臆病で攻撃的な性格

金髪、小柄、大きな瞳
臀部に退化した毒針有
真性包茎

臀部の針は二度と再生しない。その為、生涯使用しない事の方が多い。


 花の蜜を集めて過ごしていたエペは、蜂蜜色の髪と、同じ色の大きな瞳を持つ可愛らしい少年だ。
 自慢のお尻の針は、むやみやたらに使ったらいけないと、小さい頃から言われている。だから、ケイトに捕まった時、咄嗟に攻撃出来なかった。なんとも間抜けで、哀れな話である。

「う……っひっく、ひぐ…」

 内診台に拘束されたエペは、その両足を左右に大きく広げる格好で縛られていた。
 たった今、ケイトにお尻の針を抜かれてしまったところだ。

「うぇ、ひっく、かえしてよぉっ」

 お尻の針は蜜蜂種が誇りにしている大切な物だ。
 しかし、それをケイトが見過ごすはずもない。第一、部屋に住まわせるのが危険だし、お尻にこんな物が付いていたら、セックスにも集中できない。

「すばらしい、実に美しい」

 医療用ゴム手袋をしたケイトは、ピンセットでつまんだ針をしげしげと眺めた。
 まるでガラスのトゲだ。光を集めて、キラキラ輝いている。

「ぐすっ……えっく、オレの針……!」
「そんなに泣かないでくれ。それに、君はまだ可愛らしい針を持っている」
「え?」

 ケイトのひんやりした長い指が、エペの雄茎を意味あり気になぞった。つきんとした感じが内股にはしる。

「そ、そこは、おしっこが出るところだから……針じゃない」
「それは大きな誤解だ。代わりに私が見せてあげよう」
「え……?」

 不思議そうにエペが顔を上げると、ケイトが性器を露出したところだった。
 彼の陰茎は、すでに臍につくほど反り返り、その先端から溢れた蜜が腹について糸を引いている。見せつけるように浮き出た裏筋には脈打つ血管がグロテスクに巻き付いていて、呼吸するようにびくびく振れていた。
 身動きのとれないエペの尻たぶを左右に掴んだケイトは、その蕾に亀頭を押し当てた。ぬちゅっと吸い付く菊座の上には、赤い小さな点。針を抜いた痕だ。

「はあ、ああ……狭そうだ」
「う、うそ、やめ……んぁああっ!」

 まさか、と抵抗する間もなく、ケイトは一息で最奥まで挿入してしまった。無惨に開かれた蕾は限界まで伸びきり、侵入した男性器の先端は、入ったらだめなところまで届いている。
 針だけでなく大切な貞操まで奪われたエペは真っ赤になって泣きじゃくった。

「あっ、ぅ、はぅッ……いき、できな……っ」
「は……あぁ、ほら、……ちゃんと見てごらん。君のお尻が私の針を飲み込んでいるところを」

 針なんて可愛い物ではない。まるで大木の幹だ。ケイトがいやらしく腰を揺する度、内臓が全部持っていかれそうになる。

「あっ、動かさないれ……あっ、あっ、ひ、」
「はぁ……ああ、君にプレゼントがあったんだ。あまりにかわいらしくて順番が逆になってしまった」

 ケイトはエペと繋がったまま作業台に手を伸ばすと、そこに乗せていたジュエリーケースを開いた。中にはバーベル型のボディピアスが収まっている。

「イエロートパーズをあしらった特注品だ。オールドヨーロピアンカットが美しいだろう。君の針をもらう代わりに、早速つけてあげよう」

 どこにつけるのかも分からない形状のピアスだったが、ケイトがエペの陰茎を手にとったので、すぐに理解した。
 その恐ろしい答え合わせに、脂汗が滲む。
 ケイトの性器はエペの中で卑猥に脈打っているのに、このまま続けるらしい。

「ああっ、いや! いやぁあっ!」

 必死な抵抗も虚しく、エペの薄い包皮を剥いたケイトは、その初々しい裏筋の繋ぎ目にニードルの先を当てる。
 ぷつっ、と肉を貫く感触。痛みと恐怖にきつく締まる胎内。
 それはケイトの性器を恐ろしく締め上げる複雑な動きをした。

「うぁ、ぁああー!!」
「はあっ、はあ……っ、あ、あぁ……!」

 串刺しにされた剥きたての裏筋が、ぴくぴく痙攣を起こしている。まるで小鳥の心臓だ。
 あまりの興奮にケイトはそのまま射精した。

「ああ、きれいだ、最高に美しいよエペ。素晴らしい体験をありがとう」
「うっ、ひう、……っく、ひう」

 興奮がさめないまま、ケイトはそこにバーベルを装着すると、うっとりしながらその完成品を眺めた。無垢な裏筋を飾るイエロートパーズが、あくまで控えめな輝きを放ち、卑猥さと上品さのアンバランス加減が絶妙だ。

「よく似合っているよ。ピアスホールが定着するまで、これから毎日消毒してあげよう。もちろんここには私の針を埋めながら」
「あ、ぁあ……あぁ……」

 深く結合した蕾の隙間から、中に出された白濁が垂れ落ちてくる。その生温い感覚に、エペは心が壊れる音を聞いた。

 美堂ケイトの華麗なる昼下がりは、時にサディスティックである。しかしその実態を知る者は、彼以外に誰もいない。


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