人魚姫 | ナノ

あるところにそれは美しい人魚がおりました、十五になる彼女は綺麗な鱗を持ち人魚の王の娘であり人魚姫と呼ばれていた
そんなある日海の上にあがった彼女達は嵐に遭遇をする船を発見をする、その船は難破し、中にいた王子様を彼女は救い出した、王子様は意識を飛ばされていたが薄らに彼女を見て苦しいだろうにありがとうと言ったのだ







「大丈夫ですか?」
「ええ!」

にこにこと笑う彼女に眩しさを感じた、海辺に足となる尻尾を水につけ顔を乗り出してわたしと話をする辺りどうにもわたしを信頼しているらしい
人魚姫は美しかった、勿論わたしよりもずっとずっとそうだしわたしが見てきたものの中で1番


「でも本当に貴方に助けて貰えて良かったわ!」
「わたしも人魚姫さんみたいな綺麗な人に会えて目の保養になりました」
「あら、そんなお世辞いらないのに」
「お世辞じゃないです!」


その腕を怪我した人魚姫を助けたのは紛れも無くわたしだった、平々凡々そこらにいる町娘と変わらないわたしはこんな綺麗な人でまるで本の中のような人魚を見る機会もそうなく、素直に嬉しく感情を惜しみなく出す彼女がどうにも好きだと感じた、彼女も人間という人間と接するのが初めてらしくどこかよそよそしかったが心を開いてくれたようだ


「それにしてもこんな人間しかいない所へ、どうしてきたんですか?」
「ああ・・・それは、」


わたしがそうきけば彼女は頬をぼうっとあからめて先日の嵐の日のことを話してくれた、ひどくかわいらしく反応をする人魚姫は透き通る声で王子様について話してくれる


「そうなんですか・・・」
「また会えるなんて夢みたいな事なんですよね、でも会いたくて」
「人魚姫さんは王子様がそんなに好きなんですね」
「えっ」


赤い林檎みたいに頬を真っ赤にしてきらきらのスカイブルーの瞳が見開かれる、自覚していなかったのか、とわたしまで釣られてびっくりしてしまうが人魚姫さんは少し考えてからうん、と嬉しそうに声をあげたから何故かわたしまで嬉しくなった




王子様に恋をする人魚姫はひどく美しい

そう、わたしは人魚姫を助けただけのただの第三者




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