人魚姫 | ナノ
そうして王子様と町娘の結婚が決まり王宮はバタバタとしていた、比べに人魚姫は非難にくれる人魚姫の前に現れた姫の姉たちが、髪の引き返えに海の魔女に貰った短剣を差し出し、王子の流した血で人魚の姿に戻れることを教えた
人魚姫はその短剣を、ただ見つめるばかりだった
その日からわたしは王宮に住むようになった、といってもそんな日にちはたっていない
だが日をますごとにわたしは冷静になっていき理性を保つをようになる、なんで結婚をしようといわれたあの時自分はイエスと返してしまったのか後悔ばかり、そのうち王宮からひっそり飛び出してしまった、外の空気がやけに久しぶりに感じて一人だとわかると自然にボロボロ涙が零れ落ちていくのがわかった
「なまえどこに行くん!?」
一人じゃなかった、王宮から追い掛けてきたのか謙也さんが後ろから着いてきていた、だけど涙がとまらなくて高い服で何回も拭うのに雨みたいにざあざあ降り積もる
「って、泣いてるやん!なしたん!?ホームシックか!?」
「わ・・・たし、」
「ん?」
「わたしじゃ、ないんです」
「なにがや?」
「蔵さんを、助けたの・・・っ」
「え、えええ!?」
蔵さんは信じてくれなかったが謙也さんは信じてくれたのか真に受けてそれはびっくりしたように口を開いた「じょ、冗談やないよな!?」コクリ頷けばやっぱり驚いていた
「なんや、やっぱそうだったんスか」
「ざざざ財前!?え、お前いつのまに!」
「サボりついでに歩いてたらなまえさんに謙也くんみつけたんで、つい」
「つい、じゃないわ!ちゅーかサボるなや!」
ぎゃんぎゃん切り替えのはやい謙也さんは財前くんを叱る、そんな中財前くんはきくみみを持たず泣くわたしの頭をぽんぽん、と叩いた、そんなただそれだけなのに涙がぶわっと吹き出して一層とまらなくなった
「でもその指輪は本物やろ?なんで・・・」
落ち着いた謙也さんはわたしに優しく話をした、わたしはゆっくりと顔をあげてきつく涙を拭った後に全部、話をした、蔵さんを救ったのは人魚姫さんなこと、それを助けたのがわたしで指輪のことも勿論、二人は何もいわずきいてくれた
「そう、やったんか・・・」
「わたし、よくわからないままに結婚のこと頷いちゃって、最悪で、」
「別に最悪とちゃうでしょ、はやとちりした白石さんが悪いんやし」
「でも、わたし人魚姫さんの力になりたいっていっていたのに、こんな、」
次の言葉が出てこなかった、あの時みたいに息がつまって苦しくなる、わたしは避けていた、ずっとこの感情を、でももう避けられなくなっていたんだ、人魚姫さんが綺麗な瞳で語る彼を人魚姫越しで見た彼に焦がれていた事に、だから力になりたいと思ったしだから結婚のことにも耐え切れず頷いた、最悪だ、好きだ、なんて
またきつく縛っていた涙がとまらず落ちていく中、わたしは自分を見た、醜さしかないわたしを
まるでわたしは愛する人を殺す涙に濡れた悪役
誰も赦してはくれない
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