シュガーワールド | ナノ

カチコチカチ
見慣れた黒のかけ時計に視線を寄せてあと数分、そう考えたのは何度目だろうか
書類を片付けようとしても珍しく時計の音が気になって手がつかなくペンは走る気が全く起きなく明日に回すことにした
それもこれもあの例の雑誌のおまじないのせいだ、今までのなまえの奇妙な行動とまるで一致していてしかもそれは“恋”と言うフレーズがつくもの、ドキドキと言うよりはなんだかもやもやする、本当なのかなんて最後まで疑いが残るのはあまり実感がわかないからだ
ペラペラ、まだ少し時間があるから窓の縁に腕をたてて片手に雑誌を適当に弾いた


「プールに飛込んで告白・・・?」


一面大きくハートマークの中に書かれている字体に眉を潜めた、誰がそんな事するのだ馬鹿らしい、効果絶大なんてそんな必死な事する奴なんて指で数えられる人のこと、当たっても当たらなくとも変わりやしないじゃないか
カチコチカチコチ
時間を忘れていて時計に顔を上げた、 五の文字が動きだす


「きょーやくーん!!」


不意にきこえた窓の外の世界に適当に目を配った、プールのコースに小さな蟻みたいに見えるなまえが立っていて体全体を使って一生懸命手をふっているのが見えた
いつもそんな光景みているから不意に馬鹿といってしまいそうな口はぽかん、いつもと違って少し間抜けに開いたまま唇は合わさらない プールコース、もしかして、
ゆっくりなんて柄にはなく腕をかけていた縁へクリーム色に光る靴を持っていき学ランを引っ付かんだ
その瞬間聞こえた水の弾ける音とともに一時停止がかかる世界をしっていたとさても、この瞬間をただただ焦った



動きだすワールドにピンクのグラデーション




「好きでーすっ!」


ああ世界は甘く広がる

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テーマ「人外ファンタジー」
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