シュガーワールド | ナノ

ぽかぽかと眠気を誘う昼休みが終わった学校は眠気と格闘している生徒で静まりかえっていた
その中先程昼寝をしてきて眠気はとんだ僕はいつもの様に万年筆を白い紙へと滑らせていたがひとつの声で気を散らされる


「恭弥くん恭弥くん!」


またサボりに来ている幼馴染みのなまえは先程まで熱心に紙に向かっていたのにいきなりぱああと笑顔になり僕へと声をかけてきた
最近なまえは授業をサボる回数が多くなってきた気がする、普通ならば風紀委員としてサボりは許さないが幾等何でも片想いの相手に余り悪いようには言えないものである詰まりは惚れた弱味ということ(不本意だけどね)
それにこんな笑顔を其処ら辺の男共に振り撒いていると思うと気が気じゃない、全員咬み殺してやりたいぐらいだ


「なに?」
「これ、一番下に名前書いて!」
「・・・これ、は何のマネ?僕に怨念でもあるのかい」
「ち、違うよ!」


彼女が向けてきた紙にはずらりと赤いペンで雲雀恭弥と僕の名前が書かれていた
はたから見れば恨んでいる相手を書くとかそんな風に見えるんだけど・・・なまえに何かしたかな
寧ろ最近甘やかしているばかりな気がするのは僕だけだろうか


「しかもなんで赤?赤って絶交とかそう言う意味なかったっけ」
「え!そうなの!?・・・じゃなくて早く書いてよ恭弥くん!」
「気味が悪いから嫌だ」


僕を呪む奴がなまえを使おうとしているんじゃないか、なんて頭によ切った
見るからにほわほわしていて天然百パーセントななまえだ、騙されてもおかしくはない
かといって彼女にきいたとしてもやはり天然フィルターがかかっているからそんなことないよー!と返されるのがオチだろう(伊達に幼馴染みをやっている訳じゃないんだよ)


「お願い!」
「嫌なものは嫌」
「恭弥くんのケチ・・・」

ぶうと膨れあがった頬がやけに憎く感じた、僕の気もしらないで(そんな可愛い顔しないでよ)
天然フィルターとかなんとか彼女を馬鹿にしていた僕だけれど人のこと言えないフィルターが僕にもある様だ



恋愛フィルターで見る世界は一味違う



「・・・しょうがないな、ほら」
「!恭弥くんありがとうっ・・・よし、この機会にもういっこ・・・」
「・・・なまえ?なに、その雑誌」
「うわ!」
「不要物は持ち込み禁止だよ」
「あー!かっ返して!」


でも君のためにならないからたまには厳しくね

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テーマ「人外ファンタジー」
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