お見合い | ナノ


「・・・」
「本当にすいません!!」

あれから、と言うもの時計の針は少し位置を変えたと言うのにわたしの足はまだ雲雀恭弥の部屋のカーペットの上だった
彼はと言うとなんとも血色が白いのにオーラはどす黒い、そう言えばきいた事があるどんな不利な戦闘でもこの雲雀様は背中を絶対に見せないらしい怪我をしてでもと綱吉さんがいっていた、なのにあんなボスから逃げる為に隠れた事はもしかして彼のプライドを傷付けたのではないか、ひやひやサウナに入ったときよりも低い汗が頬をつたりつつ、わたしは足を折り曲げおでこをカーペットに引っ付け土下座をしていた


「ごめんなさい何でもしますから命だけは・・・!」
「・・・」
「うああ本当にごめんなさいいいい雲雀様ああ」
「・・・お腹すいた」


は、口からポロリと平仮名が落ちる
わたしのうめき声をスルーして雲雀恭弥はどこかの宙をふよふよ見つめながら無表情を変えずに口を動かしていた、ちらり顔を上げればパチリと一瞬目があったそうして雲雀恭弥はまた靴を単調に動かしドアの前で立ち止まった、私は少しの恐怖感を覚え土足で踏まれているカーペットを気にせずゆるく掴む


「ねえ」
「は、はい・・・」
「何してるの、早く立ちなよ」
「・・・はあ?」
「何でも、するんでしょ」


チャリ、雲雀恭弥はポケットから3つくらいの鍵がついたチェーンを揺らした
其が合図のようにわたしの足は自然と立ち上がり瞬きをしないままにキーに手を伸ばす、指先に銀がくっついた瞬間にずっとしていた震えは意図も簡単に止まった
それは、目の前の雲雀恭弥が満足そうに口角だけをあげたからだった、初めてみた鬼の笑みは神さまよりもタチが悪い


「行くよ、車はあっちだから」
「は、はい」
「寿司、食べたいな」
「・・・はいっ!」


雲雀恭弥は意外に空気の読める人物そうです




はらぺこボーイの気まぐれ



(0524)
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