お見合い | ナノ


「ほら、ベット貸してあげるからさっさと寝なよ」
「は、はい!」

ガチャリ、本日三度目となる雲雀様の部屋のドアを開けて執務室の奥の個室の寝室に引っ張られて真っ白な埃一つとてないベットまで案内させられた、そうしたら雲雀恭弥はゆらりと風の様に寝室を出ていってしまいわたしがいる回りはしいんと静まりかえった
雲雀様は寝ないのかな、というか本当にわたしがベット使っていいのですか、後で不眠だったんだけど、とか言って殴られたりしないよね?
不安がじわじわと背中に汗となって伝う、けど今はさっさと寝るという言葉をきこう、いそいそと冷たくなったシーツに体をくっつけた


「・・・ふー」


何だか少しだけ安心して息をつく、思いの他体は強張っていたみたいで力が抜けていくのがわかり天井をそのまま何をする訳でもなく見つめて目をゆっくり閉じた、寝よう


「・・・」


ぐるん、寝返りを打つ、ぐるん、ぐるん、ぐるん、寝返りを何回もうった、目をつぶっている、なのになぜだか眠気は一行に来なかった、どうしよう寝れないんですけども!パチリ一旦目を開けて夜目をきかせる、聞こえるのは沈黙、時計の音もきこえなくて少し心細くなってなんとなくぎゅっとシーツを掴んだ
その瞬間ふんわりとした匂いが鼻を擽る、あ、雲雀様の匂いだ
なんでそんなこと分かるんだって自分自身思うぐらい自然に思ってしまっていやに心臓がドクドク早くなる、それは冷や汗が流れる時の心臓の早さではなくもっと生暖かいもので、なんだか余計に体が起きてきてしまった、完全に寝るタイミングを逃してしまったみたい


「ん、まだ起きてたの」


え、!?さっきまで無音だったはずなのに音がきこえて反射的にバッとシーツを剥いで上半身だけ起き上がったら大きな影がシーツの白に浮かび上がっていた、ドクドクさっきより大きく心臓の音がきこえて自然的に顔がぼうっとした


「ひばり、さま」
「僕さっさと寝なよって言ったよね?」
「え、えええと!慣れない環境で眠れなくってですね!」
「君は子供かい?」


小馬鹿にしたようなそんな顔で雲雀恭弥はわたしが寝そべるベットに腰かけた、なだめられるようにわたしはもう一度ぬくもりが残るベットにうずくまる


「子供は早く寝るべきだよ」
「・・・子供じゃありません」


そう、言ったのに雲雀恭弥はわたしをあやすように優しく頭を撫でた、びっくりした、雲雀様にこんなにも優しく触れられる事なんてあるとは思わなかったから、きっと本人としてはお寿司の時と同じで気まぐれだとしたとしても、そしてそんな掌に少しの安心を抱いた自分にも驚かずにはいられない、でも、やっとタイミングがきてわたしはぶくぶく夢に溺れていった


「まったく、手のかかる子だね」




スリーパーに色付ける


(0221)
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テーマ「人外ファンタジー」
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