お見合い | ナノ


すっかり後の祭になった部屋をみてわたしは今までと同じ意味にならないちょっと満足げなため息をはいた、時刻は深夜1時大人気ない枕投げをして遊んだ部屋は結構な温度で満たされてるにもかかわらずすっかり冷えたベットに横になる
何だかいつもより密度の濃い一日で今までのことが朝起きて仕事して寝るあの毎日の24時間と同じだと思うとちょっと得した気分、たまにはこういう枕がかわってふかふかのキャッバローネとは違うベットに浸かるのも悪くはないなあ、なんて悪くはない、と思ったり
ぼんやり天井をみて明かりの灯っていないシャンデリアをみた、その瞬間ガタリ音がする


「・・・ん?」


なんだろう、と窓を覗こうとしたら、ガッシャァン!派手な音が響いて散る硝子の破片が目に入った、なにこれ、絶句に等しくわたしは固まりつつテラスに人影が二つゆらりと反射してるのを確認したら、とにかく部屋から逃げた
だって!今銃なんて持ってないし人影からみて一人は男なことはわかってる、硝子割るような奴が仲間なんて思えないしボンゴレは常に狙われてる訳で敵だったら素手で男に勝てる様なわたしは狂暴じゃない、逃げろ!頭の中で赤信号がチカチカするようにわたしはとにかくバンバンと隣の部屋をノックした、数秒もかからないうちにすぐに障害のドアが開かれる


「なに、うるさいんだけど」
「ひい!、そ、うだ隣はひばりさ・・・いや、もう、どうでもいい!ひばりさま銃をお貸しになりやがれです!」
「・・・君、なんなの、落ち着きなよ」


浴衣に羽織りを一つ肩にかけて就寝モードに入った雲雀恭弥はひどくぐるぐる落ち着きのない顔をしているわたしの背中に手をまわしてまず部屋の中に入れてから一二回ぽんぽんと撫でるように叩かれる、それから深呼吸をさせられ、わたしがふうと息を吐けば雲雀恭弥はうん、とすごく優しそうな顔をする、それがなんともわからないがわたしを安定させた


「・・・えっと、雲雀、さま」
「うん」
「ガッチリ防音だからきこえなかったと思うんです、が、」
「うん」
「いきなり窓が割れました」
「・・・は?」


意味のわからない、そんな顔をした雲雀恭弥をさておき補足としてさっきの出来事を一から話せば無言のまま彼は私のさっきまでいた部屋に行ってしまう、わたしも後からひょこひょこついていけば硝子が粉々になった残骸が散らばっていてもうさっきの人影はなく、少しだけ安心したら大きな背中がくるりとこちらをむいてスタスタマイペースに雲雀恭弥は部屋を出ていってしまった


「とりあえず、綱吉のところへ行こうか」
「え、は、はい」
「多分大したことじゃないと思う」
「・・・なんでそう思うんですか?」
「勘」


即答された、思わず笑ってしまいそうな返答に口を塞いでばれないように肩をくつくつ動かした、が、ばれていたみたいでギロリ鋭い目でわたしは縛られた


「笑いたいなら笑えばいいでしょ」
「・・・雲雀様て変なひとですよね」
「別に」
「あと、面白いです」
「僕は君の方が面白いと思うけど」
「え・・・?」
「銃をお貸しになりやがれです、なんて初めて言われたよ」
「・・・!!!」


形勢逆転、とばかりに雲雀恭弥はクスクス笑う、逆にわたしはさっきの雲雀様みたいに睨むばかりだった、でも鬼の雲雀恭弥が笑う姿なんてレア以外の何物でもなく、わたしも釣られて、嬉しくて笑ってしまう、笑い声は廊下に小さくこだました



硝子のブルース



(1025)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -