星屑カーニバル | ナノ
チュンチュン
窓の外から鳥の泣き声がきこえて頭が瞬時に起きる、むくりと体だけ起こして目を擦って少しだけ開ければぼんやりぼんやりと脳がゆっくり動き出す、それに伴い欠伸を一つして時計の6を確認してから備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを一つ取り出して口を潤し首を左右に解した、ゴキッ、やっぱり慣れない事をするのは体によくないらしい、寝不足特有の目に感覚が追いつかない


「・・・フラン様はぐっすり安眠か・・・」


昨日までならわたしが寝ていたはずのベットですうすう寝息を立てている後輩にわたしはため息をついた、普通新しい環境になれなくて眠れない!とか、その前に先輩を差し置いて当然とばかりベットを陣取って寝るものなのか新入りって!
でもまあ昨日の一例で大体のフランの性格を理解してしまったから今更どうのこうの言う口は無い、どちらかと言うとベルの方が横暴だから
ふとベットに近寄って枕に耳を押し付け横を向いて寝るフランを覗いてみた、年相応の顔をしている、昨日みたいな変に大人びた顔はしていなくて、なぜだかわたしは少し安心をして、涙がじんわりと下睫毛を食べていく様なそんな感覚がゆっくりと走る
何一つとして悲しい事なんて無いのに


「・・・そんなにガン見するならお金もらいますよー」
「えっ、・・・起きてたの?」
「あんなひがみ言われたら心優しいミーでも起きますー」


びっくりした、フランは起きていたらしくわたしの涙は思わず引っ込んだ、さっきの子供らしい寝顔は何処にいったのかフランは起き上がって「よく寝たな〜」と伸びをした、ベルのお下がりを着ているから少し大きく裾を無駄に腕まくりをしている


「まあ今日はゆっくり寝られたので許してあげますー」
「いやわたし別に悪いことしてないよね?」
「ミーは高いですよ、センパイ」
「・・・何処のホストデスカ」

フランは意地悪くわたしに笑う、何だか少しの余裕を感じてわたしは小さく笑った、その分だけ「やっぱベルセンパイがいう通りMなんですねー」とかからかわれたりするけど、たまには揚げ足をとられるのも悪く無いと感じてしまったわたしは負け組か勝ち組か否、Mなのか
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テーマ「人外ファンタジー」
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