星屑カーニバル | ナノ


「ミーはフランですー」


そう言った瞬間にわたしは目が覚めたと言わんばかりに頬に触れていた指先を思いきり離した、今わたし何してた、って自分にびっくりして、そうしたらじい、エメラルドグリーンの私が触れたマーモンと同じタトゥーの上のくりくりと瞳がわたしを捕えた


「ごめん、ね」
「・・・別にいーですけど、これ放してもらえませんかー」
「ベルー」
「やだ、こいつ逃げるぜ絶対」
「逃げませんよーたぶんー」
「そのままくくりつけとけぇ」


スクアーロがそう言うとずんずん廊下を歩いていって階段を上がっていく、多分ボスに報告だろうなあって思っていたらベルにこずかれる、なあコイツで遊ばねぇ?もう既に遊んでんだろばか野郎ナイフが背中に見え見えだよ!と思ったらベルはわたしの首ねっことフランを捕獲している縄でをつかんでずるり一緒に引きずり出した


「首!しまりますベル隊長!」
「痛いんですけど墜王子ー」
「うるせぇ、ちょっと黙ってろ」


ガタガタ階段だと言うことも無視して引きずるベルは鬼だ、そう思ってるのはフランも一緒みたいで少し哀れんだら、哀れむなとばかりに冷たい視線が飛んできた、・・・わたしのフランくん像がガタガタ落ちる、外見で作り上げたイメージは全然違うらしい、マトモそうなんて思ったけど霧ならではの幻覚でした


「ほら、っ」
「いたっ」
「・・・」


そうしたらいつの間にか談話室についていてテレビの前のソファに無理矢理座らせられる、いきなりのことで思いきり腰をかけるとこに肘があたる、地味にいたい、地味に痛いよ王子・・・!


「ていうか、何するんですか一体ー」
「お前のこと知らねぇし、尋問ってヤツ?なまえカツドン持ってきてジャポーネの!」
「ベル王子刑事ドラマの見すぎです」


ま、いーや、あきっぽいベルはそういって行儀悪くローテーブルに足をのっけて頭の後ろで腕組をした、それを見ながらぼんやり、なんかベル楽しそうだな、なんて


「お前っていくつ?」
「シークレットですー」
「じゃあ何型?」
「なんでそんな事教えなくちゃいけないんですかー」
「誕生日は?」
「ごそーぞーにお任せしますー」
「・・・お前なめてんのか、殺すぞ」
「ベル早まらないで、また霧いなくなる!」
「暴力はんたーい」


やるせないトーンの低いフランの声は私たちの思い出をかきまわす、ベルも多分そうなんだろうな、なんてちょっと考えてからわたしは笑った、スクアーロとは違うフランとベルの喧嘩はなんだかあったかいもので、真夏の熱いクーラーのきいた部屋でぬるい温度がわたしを落ち着かせたのだった
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