星屑カーニバル | ナノ
変わり映えのしない窓の外はぴかぴかもう日干しされるんじゃないかというくらい太陽はあっつくなっている、まあクーラーがガンガン効いてる屋敷のソファにゴロゴロしてる私には関係は一切無いけど窓の外を眼球は気にする、まだかなーごろ頭を動かしてわたしは欠伸をした
昨日のベルの言葉が気になってあんまり寝れなかったのだ、当の本人はグッスリ熟睡して今日の早朝スクアーロと何か出かけていったけど、珍しくボスもスクアーロに対して怒んなかったし、それに極め付けはベルの言ったわたしへのプレゼント、何だか違和感が心臓辺りを侵食する
そんなことをぶつぶつ考えていたら広間のふるびた時計がボーンと鳴くと共に一階から何か荒々しい声がきこえてわたしはソファから立ち上がった、コツコツ足音が重なって階段をはや歩きで降りて玄関へと向う



「ベル、スクアーロおかええりー」



わたしはベルとスクアーロが立つ三歩手前で足をとめる、そうしたら珍しく二人とも喧嘩をしていないのか怪我は一つもしてない、二人が組んだ任務の時はいつも二人とも尋常じゃない怪我をしてるのに珍しい、なんて思ったら、ちっ、小さな舌打ちがきこえた、そうしたらベルが笑いを声にしてわたしにひらひら手を振る


「ししし、昨日言ったなまえへのプレゼント、持ってきたぜ」
「は・・・?」
「新しい霧だぁ」
「え、・・・ちょ、は」


口はあんぐり、ベルがひょいと投げたそれはエメラルドグリーン、まだ大人と言うには難しい子がいてしかも手足はベルのワイヤーで体は荒く縄でぐるぐる巻きにされていた、しかも背中にはナイフが数本刺さってるしもう、これ拉致です犯罪です、いやもう集団が犯罪だけど


「なっ、なにしてんの、これ拉致じゃん完璧!」
「だってこーでもしねぇとコイツこねぇーんだもん」
「だからって、無理矢理って、スクアーロもスクアーロだよ、スクアーロはマトモだと信じて・・・なかったけどさ」
「う゛ぉ゛ぉい・・・信じてなかったのかよ」
「じゃ、なくて大丈夫、君・・・?」


しゃがんで半分物扱いされるベルが言うわたしへのプレゼントの顔をうかがう、しかめっつらが見えてわたしはそりゃ当然だよね、とばかり罪悪感に浸った、でもその瞬間にわたしは同時にびっくりして言葉を失った、少し傷がついた頬に触れたら熱くもない冷たくもない体温がわたしへ流れ込んでくる


「マーモ、ン」


当然の如く飛び出した言葉にベルはまた笑ってスクアーロも少し微笑んでいた、だけどわたしの目の前の顔は歪む
重力に引き付けられた心臓はやけに煩く響いた
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