ぶつぶつ何でわたしがこんなことしなくちゃいけないんだろうなんて頬杖をしながら先生から押し付けられたプリントをぱらぱらめくる
そもそも原因は顔が良いギャップを抑え髪をしばった忍足が可愛すぎたのがいけないんだ、わたしが赤くなってるのに気づいたそのあと授業中にからかわれるわ、なんかじろじろ見て笑われるわ、で!そんな行為に授業中怒鳴ったわたしは先生からこんな仕打ちを受けた訳だけどそもそも忍足くんのせい・・・いや、そゆことにさせて欲しいですすいませんファンクラブのみなさん
そんなこんなで山のプリントを年代順に並べていけば部活が始まったみたいでグランドからは歓声が聞こえてきた、大方女子の声しかきこえないあたりテニス部だろうなー欠伸をひとつ漏らせばバタバタ今度は煩く足音が近づいて来る


「なまえー!!!」
「う、わ、あ!」


教室のドアがガラリと開いた後に続いて机と椅子がガチャガチャ擦れる音がしたと思ったらぴょんっと赤く丸い瞳がうつった、直ぐになまえを判断できたというのに途中で唇をとまってしまった、もっかい言い直そうとぽかんとあいたままの口を一回閉じたところ、わたしの反応に嬉しそうにえへへと笑う向日がいた


「がっ、くん」
「なーどうどうー?侑士に結んで貰ったんだぜーっ!」
「なっなんで!」
「侑士が髪結んだらなまえおもろい顔するでーって言ってたから!」


にっこりわくわく忍足くんのモロ下心と比べがっくんはまんまるの水玉模様がついたぼんぼりゴムで上の髪をぴょこんと結んで純粋さが滲みでてる、なんか、もう気づけば窓を開けてるおかげで飛びそうなプリントを抑えている手の平も気にす暇はないぐらいにわたしは本望がまま体を動かしていた


「可愛い・・・っ!がっくんかわいいかわいいよ!!」
「わ、くすぐってー!」


ぎゅう、わたしとそんなに身長差がないから抱きしめるように包むのは簡単で、首に手をまわしていっぱいいっぱいにわたしの今の気持ちを出してみればやっぱりがっくんはこしょばしそうに笑った、もう女の子みたいに可愛くて口は揺るみっぱなしだ


「がっくんそこかわってほしいわ、俺には抱き着いてへんかったのに」
「あれ侑士いたんだー」
「がっくんが一緒にこいいったんやろ!」
「もう忍足くんなんて目じゃないよがっくん好きー!!!」
「俺もなまえ好きだぜー!」
「熱々でんなー」
「あれ忍足くんいたの?」
「・・・なまえちゃん」


わたしはがっくんのかわいさにメロメロだった、だから今はふわふわ風にさらわれるプリントの山も視界には入 ら な い



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あほいシリーズそのに
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