ぽちぽち、誰にメールしてるのかわからない隣の席に視線を寄せて別に何にも考えずにぼうっとした、めについたのは綺麗な青の髪色、女の子みたいに長いそれは多分どんなひとでも引き寄せられるんじゃないかと思うほど綺麗で、ぱちん音がしたと思ったらこちらもぱちり携帯を折り畳む忍足くんと目があった


「熱い視線やなー、どうしたん?」
「え、や、綺麗な髪だなーって思ってさー」
「まじで?ありがとさん」
「本当、女の子みたい」


あんまり意識しないでそう口を開けば忍足はちょっと固まって眉を歪ませて困ったように笑った、確かに女の子みたいと言われて喜ぶ男なんていないよね、罪悪感が生々しく顔にでていて慌てて話題を変えなきゃ、とぐだぐだ頭を回転させた


「でも、あれ、だよね!そんな長くて邪魔じゃない?」
「そーやなあ、テニスしてる時はたまに邪魔やな」
「切らないの?」
「一年からこのままやったから今からいきなり短くすんのもあれやん」
「あー、じゃあ縛る、とか!」


腕にくるくるまわりながらわたしにひっついてた輪を腕からとって、忍足の手に渡してみせる、興味から始まって忍足は自分の掌からゴムを摘んでそのまま腕を後ろにまわした
その瞬間きゃー!そんな声が廊下の方からしたような気がして、今は休み時間だから多分忍足を見に来たファンだろうかと思いながら視線を寄せたらなんか、倒れてる女子が数名いた、何が起きたんだろうと思いながら女の子達の目が向いている先を辿ればやっぱりわたしの隣に導いた、んだけ、ど


「どーや?」


言葉がつまった、確かに何かを言おうとした口はぽかんと間抜けにもひらきっぱで、今効果音が流れるならきゅん、とかどきゅんとかだろうか、でも実際にそんな擬音は音をたてないのに幻聴のようにわたしにはきこえた
当の本人は目をパチリパチリさせてどうしたん?低い声を響かせた、そしてまたきゃー!!!!とばたばた女の子達が倒れる音がした、わたしといえばその攻撃に負けないようにと顔を手で覆った


「・・・忍足くん可愛すぎ」
「はあ?」



後ろ髪をちょこんと結んで眼鏡がずれ目をおっきく見開く忍足くんは、刺激が大きすぎる



(1004)
あほいシリーズ
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -