ぐらぐら、瞼が危なっかしいぐらいに睫毛をゆらしている、今にも視界が暗くなりそうだけど片手に持った携帯をきゅっと握ってごろんねっころがったままにぼんやりなにすることもなく瞼を一二回開け閉めをした、ああねむたい、欠伸は何回もしすぎて痺れを切らしたのかでなくなってしまったからにもっとも眠い、プラスぽかぽかあったかい太陽に熱のこもったわたしが寝そべる屋上のコンクリート、もう寝る条件は揃ったとしかいい様がないと思ったところで太陽に反射して眩しい銀色がわたしの視界の端にゆらゆら揺れた


「教室にいないと思ったらこんなとこにいたんか」
「・・・おー、におーじゃん」
「こんなとこで寝たら風邪ひくぜよ」
「てか仁王が来たから眠れないよ、起きたら子供出来てることになる!」
「ぱんつがピンクのチェックな子供ななまえを襲うほど餓えてないけぇ」
「・・・仁王くんなぜわたしのぱんつの柄を知っているのかなー?」
「スカートめくれてるもん」
「死ね仁王!!!」


ぱんつ見る前に忠告してくれればいいのに、腰だけ起こして端がめくれたプリーツスカートをなおたらまた携帯を握りなおしてねっころがる、仁王はいつの間にか突っ立ってたはずなのにわたしの隣に座ってわたしをじいっと見ている、それが意識したからかちょっと居心地がわるくて仁王に背を向けるようにごろんと体を横にむけて肘で目を隠した


「なまえ寝るんか?」
「寝るー」
「俺がいると子供できるんじゃなか?」
「わたしは仁王を信じる、多分、・・・多分!」
「多分いらん!」
「はいはい」
「・・・」
「・・・」
「おやすみんしゃい」


ぽすん、仁王の大きなコンクリートより大きな掌がわたしの頭を食べるようにおかれてぽんぽん二回ほど撫でるように優しく叩いた、あまりにもあっかく居心地がよくて、吸い込まれるようにわたしは黒一色にうずくまった、おやすみ、確かに意識をなくした一歩手前に口を動かす、なんとなく仁王が笑った気がした munyamunya



「・・・んー」


ぼやぼやわたしが起きた頃にはもうお昼はとっくに過ぎていて隣にいた仁王も頭のうえの温もりもなくなっていた、かわりにあったのは仁王の匂いがするすっかり日のあかりであたたかくなったカーディガンだった
なんだ優しいとこ、あるじゃん、なんてぼんやり時間を見るために手から離れた携帯を拾ってぱかり開けば新規メールになっていて、そこにあった電子文字をみてわたしの顔はじわじわ歪む

でも俺となまえのガキだったら絶対かわいいのう
考えときんしゃい!


カチカチその文字を消して新しく書き直す、送信先を仁王に設定して笑顔で空に携帯を持ち上げて送ってやった


死 ね 仁 王



(0927)
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テーマ「人外ファンタジー」
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