ゆらゆら、何処かで何かがゆれる真っ黒の視界にももう少しでおさらばするだろうか、ぼんやりぼんやり意識が薄れる中部屋には時計の針がカチコチなるのだけが響いていた
久しぶりに昼の仕事を終えたわたしは今日はもう殺しをしなくて良いそう思うと連勤だった疲れが肩に来て瞼に来て、寝ることを忘れたかの様だったのに体はしっかり覚えていたからそうさ簡単に今みたいな状況になる訳だが時計の針がカチリ、少し違う音をだした後に煩く何かが蹴られる音がした


「せーんぱい」


何だか嫌な予感がぞわぞわ背筋を通った気がした、瞼を地に離したくなかったのも一貫の理由としてわたしはそのまま寝たフリを続ける、久しぶりの休みぐらい寝かせてくださいほんとすいませんとか思っていたらふいに体が軽くなってひゅうと冷たい空気がわたしの腕を食べてきた、びっくりして瞼にほんと隙間を作ってみれば忌々しい黒のグラデーションがかかった水色が視界の端に見えた


「あ、先輩起きました?」
「・・・何してるんだい後輩」
「いや寒いのでー」
「新手のナンパ?むしろ夜這い?」
「先輩みたいな間抜け襲う程ミーも落ちぶれちゃいませんよー」
「そう言いながら何故ベットに入ってくるの?」


ぬくぬく温まったわたしの敷地に入ってきたのは蛙帽子をかぶってない後輩で何故だか枕持参で冷たい体を向けてきた、ベットは勿論シングルだから大人二人入るには無理がありぱくぱくよく分からなくて目を丸くして口をあけしめするわたしを無視してベットのはじっこにおいつめフランはふうーと息をついた


「おやすみなさいせんぱいー」
「え、ちょ、いやあのフラン後輩!?」
「うるさいですねガタガタとー」
「なんでわたしのベットに入ってくるの、自分のベットで寝てよ狭い」
「堕王子のいじめのせいでミーのベットはサボテンになってしまって寝れないんですー」
「だからってなんでわたし・・・」

文句の一つでも言わないときがすまない、寧ろ追い出さないとと思ったのにぴったりフランの細い人指し指がわたしの唇に触れた、やけに冷たい指先がベットがナイフ刺しにされた本当を表していた、しょうがないわたしが出ていこうなんてあたたかいベットを離れた途端に少し生温くなった手がわたしの腕をひっつかみグイッと引っ張る


「ミーはだきまくらがないと寝れないんですー」
「は、」
「生憎持ってくるのを忘れたので先輩で我慢してあげますよー」
「ちょ、フラン苦しい・・・!」


わたしを背中から体まるごと抱き締めたフランはぎゅうぎゅう引っ付いてどちらかと言うと首を絞められてるみたいで息が苦しい、酸素を求めながらクロスする腕から抜けだそうと企むが余りにも強くって、ベルが言ってた通りわたしよりもほそいくらいの腕は頑丈すぎて、そんな奮闘をしているうちに後輩はおやすみなさいーと言葉を一つわたしの耳元に残してすうすう寝息をたててしまった、わたしと言えば歯がゆいこの気持ちをどうすればと考えるだけで一向に瞼が閉じることはなかったとか、息が、胸が苦しい、朝まで生きていられるだろうか・・・ベル殺す



おやすみ後輩くん



寝るフラン
(0413)
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