今日は久しぶりの休暇、早朝からしゃこしゃこと歯ブラシの擦れる音をだしながら鏡をぼうって寝惚けたまま見ていた
前髪がのびすぎていてよく前が見えなかった黒はつい先日なくなったのだ
イーピンと呼ばれる子(と綱吉)が切ってくれた、別に頼んだ訳じゃないけど
チャイナ服を来た子はとてもうまくカットしてくれたのだが自分の前髪を切るみたいに短くしすぎてしまったらしい、綱吉と一緒に何度も謝られたが別に僕は気にしていなかった だけど
あの子に別の女が切った、と言ったらどんな顔をするかな?
そこで歯ブラシを抜いて口をゆすぐ
冷たくなったワイシャツに腕を通してきゅっとネクタイを結んで鍵をポケットに押し込み部屋をでた(考える暇はいらない、会いに行けばいいんだ)




「やあ」
「・・・わ、お」


イタリアから飛んできて並中にも目をくれずにとにかく彼女の元を目指した
何も知らせずに来た僕じゃなく前髪が短いことに驚いたみたいでぽかんと口をあけて目を丸くしていた
それが面白くてついつい顔が緩んでしまう


「雲雀さん、前髪・・・」
「イーピンって子が切ってくれたんだよ」
「イーピ・・・あ、イーピンちゃ、え!?」
「(綱吉も一緒にだけど)」

からかうみたいに本当のことの一部を言えばさあっと彼女の顔は色がなくなり青くなった
その顔はどうしよう!と何とも言えない顔をしていた、やっぱり面白い反応だよ君は


「雲雀さっ、ううう浮気!」
「前髪切って貰っただけなのに浮気?」
「(雲雀さんの鈍感!イーピンちゃんは雲雀さんの事が好きなんだよ!)」
「なにその顔は?」


今度はむうっと膨れた顔をする頬に人指し指でむにっと筒けば半分睨まれる様な風に目を向けられた(全然怖くない)
そして僕に向かって予想外の一言が飛んできた



「私も、雲雀さんの前髪切ります!」



不器用なくせに意地をはる彼女は愛らしくて憎めない


揃ってくれない前髪


(なにこれ)
(・・・ゴメンナサイ)

結局失敗というなのオチ


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