彼女はただ、僕の隣にいてくれれば良いと思っていたがあの忠犬(の獄寺)にいつまでもいてくれるなんて確信はあるのかよ?ときかれてそう言えば、と目を丸くした
中学の頃から遅刻や校則違反をしている彼が僕が応接室に呼び出す彼女との関係を一番よく知っているからの配慮の言葉だったのだろうがじゃあ、そのためにどうすればいいのかが分からない
聞き返せば小さく耳打ちをされた、聞きなれない五文字が
自分に素直になれよと肩をぽんと叩かれる、なんとなくイラッときたのでトンファーで一殴りした(指図されるのは気に入らない)
そして今、彼女を前に口をひらいた(うまくまとまらないけど、)


「今から話すことよくきいて、」


紅茶をだして、いつも通りの応接間に響いたのはいつもとは少し違う僕の声
柄にもなく心臓はうるさく跳ねていた


「僕はね、あまり一つの物に興味を持たないんだ飽きっぽいと言うのかな、だから365日忘れることのなかったのは並盛と風紀を守るぐらいだったんだよ」
「でも、あるものを中学の、風紀委員長をやっている時にみつけてねそれは本当に僕から見れば普通のものだったけどどこか僕を楽しませてくれる物だった」


ノンブレスで言えばぱちりぱちりと彼女は瞬きを二回して目を見開いた
いつもあまり喋らない僕が長々熟と口を動かしている姿が珍しいのか、はたまたもう僕が言いたい事がわかったのか(後者は有り得ないと思うけど)


「ルービックキューブですか?」
「は?」
「恭弥さん私から没収したルービックキューブかなりはまってたじゃないですか!」
「はまってなんかいない、・・・じゃなくて話がそれた」
「恭弥さんの意地っ張り、はまってたくせに・・・」
「うるさい、そうじゃなくてね」


彼女がいきなりルービックキューブなんて言うから計画していたマニュアルが型崩れだ、僕が失敗するなんて
はあ、と溜め息をついて何だかどっと緊張がとけ頬杖をした
そうすればいきなり彼女はクスクスと控え目に笑いだした(これもマニュアル外)


「なにさ」
「いやあ、今日の恭弥さんすっごく面白いので」
「面白い?」
「だって顔が百面相でよく喋るし足はよく組み直す、それに何だか緊張してるみたいで」


、僕百面相なんてしてたのか足をそんなにも組みなおしてたのか、と言うか彼女に僕が緊張してることがばれていたのか(僕としたことが、)
生まれてきて本能で生きてきた僕だから人にこうして指摘されるとなんだか恥ずかしいもので何も言い返せなくなってしまい開こうとした口はもごもごとした感触に溺れた
そしてまた、彼女はにこりといつもの笑顔をしながら僕へと口をひらいた


「何か私に言いたいことがあるならいつもみたいに直球で言ってください、私はずっと恭弥さんについていきますよ」


彼女の瞳はいつになく真っ直ぐ見えてなんだか安心をおぼえさせる色だった
息をすって、それを飲み込んだ
そうだ、何がマニュアルだそんなものはいらないいつもみたいに普通に言えばいい、僕らにロマンチックなムードなんていらないのだ(やっと、言うよ)


「僕と、結婚してくれないかい」


クエスチョンマークもいらない、何故なら答えはもう知っているからだ!




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