僕の周りには強がりの塊がいる、お前こそが強がりの塊だろ!と獄寺隼人が言われたけれど僕よりも上回る奴がいるから言ってるんだよ、とトンファーで一殴りしたのもこの生臭い臭いが漂う部屋から脱出する任務の前のことだ


「ひば、り・・・さ」
「喋らなくていい、黙って」
「命令ですか・・・?」
「そうだよ、だから喋るな、!」


腕を包んでいた白いシャツを惜しまずビリビリと破き彼女の腹部へと当てがう
ああ、なんで君はこんなにも危なっかしいの戦闘内には絶対に入るなとあれほど言ったのに 命令だと無理に口を塞ぐけど其でも彼女は息を荒くして高いソプラノで生まれて初めて冷や汗をかいた僕に話かける


「その命令は、きけません・・・」
「なんで、少しでも体力を」
「知らないんですか、ひばりさん あたしとっても強い子なんですよ」
「強い奴がこんな怪我しない」
「あたしは、強い・・・んです、痛くなんかないです」
「なまえ、」
「だから・・・怖くなんかないんです」


微かに震えた青白くなった小さな手を握った(見え隠れする嘘は)
爆薬が空気中に漂い床に近いとは言えど息が辛くなっていく
君が強いなら、この状態をどうにかしてよ 内心僕だって少しだけ不安なんだ(きっと僕への配慮だと)


「黙ってと僕は言ってるんだ」
「ひばりさん、あたし」
「・・・お願いだから、」
「ひばりさんのことが好きでし、」


過去形の文などは聞きたくない、ねえ黙って、黙ってよ 僕は君を失いたくないからこんなに必死なんだよ
ぐっと唇を押し付ければ鉄の味が感じる、彼女を黙らせる術は此しかないから(ああ、煙が邪魔だ)
手を伸ばす、血がひたりと指を伝う



強がりのためのラブソディー


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