そよそよ、ゆるく風が流れてきて少し隙間が空いたドアが悲鳴をあげるのが耳に届く、ふわり、前髪とおでこの隙間に心地好さが走る中に首だけをドアの方向へと動かした


「なまえ?」


ドアの隙間から見える女子の制服のスカートを目に入れて適当に呟いた
屋上は僕のテリトリー、其処へ近付く奴なんて彼女ぐらい、そう頭をよぎればひょこりとドアから体をだしたなまえがにこりと笑った
そしてゆっくり近付いてきて肩に白い肌とは反対の黒色がかけられた


「学ラン応接室におきっぱだったよ!」
「ん、」
「って・・・あれ?学ラン、少しちいさい?」
「ああ・・・そう、もういらないから新しくしないと」


だからそのまま起きっぱにして屋上に昼寝にきたんだ、そう言えば肩にかけたばかりの学ランを彼女は驚いた様につかんだ
漆黒の学ランは日にあたり少しだけしわくちゃに歪む


「なに、その顔」
「えーと、なんて言うのかな、・・・雲雀くんも成長してるんだな!って思って!」
「・・・成長ね、」
「だって雲雀くんわたしが入学してから何一つ変わらないんだもん!」


ふわふわ笑う彼女はいつもよりも優しく笑って雲雀くんも人の子なんだねーと失礼なことを口にした
身長なんて嫌でも伸びるものでそんなに成長したと言う気にもない、僕は特に何も変わらないのに身体だけは変わっていく
強くなることは良い、まあ僕は元々強いけどでもその他に成長なんて伸びなくて構わない、そうぼんやりやけに白く流れる雲へ目を向けながら頭をぐるり動かした


「それに、雲雀くんしってるかな?」
「なにが?」
「雲雀くん、最近すごく優しく笑う様になったこと!」
「は、」


優しく?誰が、僕が?
初めて言われた言葉に目を見開いて頭はパニックをおこしたかの様に思考回路は衝突事故
また一つ風が吹き前髪をすり抜ける、


「それも成長なんだよ」



ゆっくり、何故だか次に来る桜の季節のことを考えた
ずっと このままでいるつもりだけど、どうやら其れは無理そうだ
それは成長じゃなく、


感化されていくブロック



ブロックは壊れ侵食され尽すのはいつ頃になるだろうか?
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