外は門松など日本の文化に沿って綺麗に装飾されている並盛の地下ではマフィアでも頂点にたつと言うボンゴレファミリーが新年会を行っていたりとお正月にあう賑わいをみせていた
それも後の祭りになったところ、わたしは人里離れたパーティー会場に繋がる廊下にある区切り、上等のドアを二枚挟んだ先の畳に飲み過ぎて酔い潰れ冷たくなった畳へと力をすっかり抜きぺたりとはりついていた
ぼやぼやと熱る顔には冬だろうがその放置された冷たさは逆に心地良いぐらい、動かない頭を働かせずしていればぬっと影が私の顔に伸びてきた
「飲みすぎ」
「ひ、や・・・恭弥さん痛いです・・・っ」
「君が悪いんでしょ」
「う、ぐう」
長い指のデコピンは痛いし威力が半端じゃない、少し赤くなってるだろう額をスーツの裾で擦った
恭弥さんはいつの間にか着物に着替えていて屈む様にしているから胸板がチラチラ見えるぼやぼやするスモークガラス越しみたいにうつるのがまたより一層強くなった気がする
「新年だし君にお年玉あげようと思っていたんだけどこの様子じゃ、ね」
「・・・え!きょ、恭弥さんがわたしに、お、おとしだま・・・?」
「うん、これ」
ぴらり、視界に白が入りそれはぽち袋にしては大きな袋がぱさっと恭弥さんの手から私の顔一面に落ちる
一瞬その紙さえ冷たく気持良いと目を閉じてしまいかけたけど慌てて袋を手の中に納める
だって恭弥さんがわたしと恋人と言う関係になってから三年ぐらい、仕事以外の物として直々にプレゼントしてくれたのは此が初めて、好きな相手にプレゼントされて嬉しくない訳なくて恭弥さんの腕が伸びてきたけれどわたしはそれを阻み上半身を無理をして起き上がらせ袋の口に手をかけた
「か、み・・・?」
中には綺麗に折り畳まれた紙、ぽんぽんと袋を逆にすればぽろり、キラキラスモークの中で光るものを見つけた
手でゆっくり確認すればそれは指輪、しかも大粒のダイヤみたい
ゆっくり片手に持っていた紙を開いて一瞬恭弥さんの顔を見ればいつもの無表情じゃなく少しだけ柔らかく笑ってくれて意味分かる?そうわたしに問掛けた
ドキドキ、もしかしてと回らない頭とともに目を紙に落とした 其処には、愛の証明書
ひやりと目が悲鳴を小さく落としてわたしはまた裾で拭いそのまま紙と指輪を持ったまま畳へと背中をつけた
ゆらゆらぐらぐらぼやぼや、視界は歪む心臓が煩い心は踊る
きっとこれはお酒のせいではないだろう
「ボーナスだから」
手の中から指輪が奪われ左手の薬指がひやりとした
その次に目を瞑ったわたしにくる快楽は瞼に落ちた熱い熱いキス
スモークガラスにうつるダイヤモンドと婚約書
キザなひばり
(090101)