朝方はやっぱり肌寒いもので温かいベットから抜け出して珈琲カップに茶色を滑らせた、コポコポ水が呼吸する音だけが響く
やっぱり昨日は仕事三昧で寝たのは深夜遅く、おひさまがわたしを威勢良く照らすけど逆に心地好いひかりが包みこんで睡魔はじわじわ手をのばす、まだ珈琲いれ終わってないのに、なんてぼうっと半分だけ開いた瞼が息をついた瞬間にまるく渦をまいてわたしを捕まえた体は動いてぼんっと荒く放り投げられる、次にびっくりして開いた目に映ったのは真っ黒、シャンプーの匂いが鼻を霞める


「ひ、ひば!」
「勝手に部屋から出ないでよ」
「珈琲をいれに行っただけですよ?」
「君がいなきゃ寒いの」
「うわ、つめたっ・・・!」
「・・・あったかい」


ふかふかのシーツが私の背中にくっついて胸とお腹にはまるで大きなクロネコみたいな雲雀さんが私にぴったり張り付いた
雲雀さんの手は雪みたいに冷たくてでも体温が高いわたしにとっては熱冷ましみたいですこし気持いい、ゆるりと侵略していく手をほっぺにくっつける


「子供って体温、高いよね」
「わたしには雲雀さんのが子供に見えますけどねー」
「何とでもいいなよ、あとでそんな事言わせない事するから」


そう言って瞼を閉じたままに雲雀さんは私のおでこにキスをした、そうしてやっぱりだきまくらみたいに長い腕が支配して耳元にはゆったりとした寝息が聞え始める


「・・・あ!珈琲」


まだ其のままだ、溢れかえってしまっていたら意味がない、そう思って再び手を空中に伸ばせばやっぱり雲雀さんはわたしを離したりはしない


「珈琲ぐらい、起きたら僕がいれてあげる」


もぞもぞ、耳元でそう呟かれればわたしにはもう逃げ場がなくなって珈琲とシャンプーの香りとわたしだけが其の猫の様な彼をふわりと撫でた
ずっと、このままでいたいね

現実ロマンスの中にふたりだけ



猫っぽい雲雀
(0226)
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