「ねえ、君って僕の事好きなの?」


ぽかん、びっくりして口が間抜けに開けっ放しになったのにも関わらずわたしの頭はピタリと制止したまま雲雀さんをただ見続けた、黒い鋭く光る瞳に吸い込まれそうだなあ、なんて考えていたらじりじり雲雀さんの眉が歪んでいるのがわかり、慌てて答えを探すように頭を再開させる、雲雀さんは待つのが好きじゃない、そうしたら言葉の意味を理解してええ!と口に出さす心の中で独り言、わたしが驚いた理由は、まずひとつめ雲雀さんがわたしに選択肢の有る質問をした事とふたつめは雲雀さんの口から好きという言葉がでたことだった


「ひばり、さん熱でもあるんですか?」
「無いよ」
「いやいや、無理はいけませんって!」
「僕は無いといってるんだけど」


不機嫌にもむすっとした顔の雲雀さんをこれ以上に怒らせたら多分わたしこの応接室で屍になること間違えないと思うのでそれ以上は言えなく口を紡いだ


「・・・」
「・・・」
「・・・なんか言いなよ」
「だ、だって」
「好きか嫌いか」
「好き、ですよ?」
「なんで疑問形なの」
「な、なんとなくです」
「・・・ふうん」


さもどうでもよさそうにそう呟いて雲雀さんは雲雀さん専用の椅子から立ち上がってわざわざわたしの座るソファの隣にぼふんとふわふわなそこに座った、わたしは普段あんまり近づいてくるような真似をしない雲雀さんが隣にいることに何故かドキドキして、何を言うことも出来ず只隣に足を組んで悠々に座る雲雀さんの横顔を見るばかり


「言っとくけどさっきの質問、ただの気まぐれだから」
「・・・はい?」
「別に君が僕を好きか嫌いなんてどうでもいい」
「えええ!わたし答えた意味ないじゃないですか!」
「君に拒否権なんか無いって最初から言ってるでしょ」


そう言って雲雀さんはわたしのソファについていた掌を手に取るとぎこちなくも握った、ただそれだけなのにわたしは何処かおかしくなってしまったように頬があっつくなる、わたしがその手を弾く権利など雲雀さんはないというけれどそれよりも前に、わたしはその手を拒む理由なんてないない


「わたし、雲雀さんの事嫌いだったら逃げてますよ」
「いい度胸だね」
「でも嫌いじゃないから此処にいるんです」
「・・・うん」
「雲雀さん」
「ん」
「好きです」


今度はハテナを付けずに言って、雲雀さんの手を握り返した、あったかい体温がゆるゆると流れこんでくると同時に雲雀さんの顔がずんとわたしに近づいて少し開けていた口に食らい付くように温かいものに侵食される、勿論わたしがそれを拒む理由はなくなされるがまま、ぺろり離れたと思ったら雲雀さんがいやらしくも唇を舐めるものだから刺激が強すぎてクラッとする

「僕も、嫌いじゃない」


もう一度、今度は可愛らしいリップ音が響く様なキスを一つしてから意味もなくふたりして顔を見合わせて口を緩ませた、意味がなくてもいいじゃないか、もし意味をもしつくるとするならばわたしが雲雀さんが好きだからという理由で全部が全部片せる自信があるんですよ



純愛を確かめる



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