幼稚園の年中さん
みょうじなまえです。さんさいです。
もうすぐよんさいになります。よんさいになったら、もうすっかりおとなのおねえさんです。
ようちえんは、まいにちたのしいです。なかよしの、あおいちゃんと、かなをちゃんと、よくあそびます。
それから、それからーー…、
「なまえちゃぁ〜ん!おはよぉ〜!」
「おはよう、ぜんいつくん!」
おなじくらすのぜんいつくんとも、なかよしです。
ぜんいつくんは、いつもとってもげんきです。なまえはまだすこーしねむいんですが、ぜんいつくんはあさからげんきに、おおきなこえがだせます。そういうところが、すごくえらいとおもいます。
ぜんいつくんは、ようちえんについたらすぐ、なまえにはなしかけてきてくれます。それから、なまえのしらない、いろいろなおはなしをよくしてくれます。
きょうもなにか、たのしいおはなしがあるみたいで、ぜんいつくんはにこにこわらいながら、なまえにこしょこしょばなしをしてくれました。
「しってる?ほしぐみの、はくじくんと、こゆきちゃん。すきすきどーしなんだって。しょうらいは、けっこんするんだって!」
「わあー!すてきだねー!」
びっくりして、ぱちぱちしてしまいました。はくじくんとこゆきちゃんは、いつもいっしょのなかよしさんです。…あれ、でも。
「ねえ、なまえちゃんは?」
「うん〜?」
「すきなこ、いるの…!?」
はくじくんとこゆきちゃんのことをかんがえていたら、ふしぎなきもちになりました。なまえとぜんいつくんだって、いつもいっしょのなかよしさんだからです。
それなら、なまえとぜんいつくんも、はくじくんとこゆきちゃんみたいな、すきすきどーしなのかな?
「うーん、なまえは……」
「っ、うんうん!」
「ぜんいつくんがすき!だからなまえも、ぜんいつくんとけっこんする!」
「!! ほ、ほんとぉ!?ぼくもなまえちゃんがすき!なまえちゃんとけっこんしたい!」
すきすきどーしかはわからないけど、なまえはぜんいつくんのことがすき。そうおもったからそのままおはなししたら、なんとぜんいつくんもなまえのことがすきなんだそうです。
やっぱり、そうなんだ!いつもいっしょは、すきすきどーしのしるしなんだ!
なまえがわくわくしていたら、たんにんのひめじませんせいが、きょうしつにきました。いちにちの、いちばんさいしょにせんせいとあったときは、ごあいさつするのがおやくそくです。
「「せんせーおはようございます!」」
「…おはよう、ございます…」
ぜんいつくんと、こえがぴったりおなじになりました。すきすきどーしだからかもしれないです。
でも、またなまえは、あれれ?とおもいました。
「なまえ、ひめじませんせいも、すき」
「ええっ?」
ぜんいつくんがおもしろいこえをだしたのも、このときのなまえにはぜんぜん、きこえていませんでした。だってなまえのあたまのなかは、おおきくて、いつもやさしい、ひめじませんせいでいっぱいだったからです。
「なまえ、ひめじませんせいと、けっこんする!」
「あ、あれえええええ!?」
ひめじませんせいは、いつもどおりのやさしいおかおで、なまえのあたまをなでなでしてくれました。このおっきなおてても、だいすきなんです。
うれしくなって、もっともっととせがむなまえのよこで、ぜんいつくんのおかおがどんどんあおくなっていきました。
「はなしがちがうじゃない!?なまえちゃん!ぼくとけっこんするんじゃなかったのおおお!?うわあああん!!」
ぜんいつくんはいつもあかるいけど、なくときもおおきなこえでなきます。ぽろぽろこぼれるなみだはとってもきれいだけど、ちょっとうるさい。
でも、そんなところもまとめて、ぜんぶ。ぜんいつくんは、きょうもげんきいっぱいです。
この一件のせいでなあ!
全部全部、こじれていったんだからな!
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