「スク、アーっ、ぶぁ゙っ!!」
「うししし♪」
俺の所まであと少しの所でイチカが豪快に転んだ
何もない所で
と言いたいが、転んだ所を見てみると金髪の餓鬼の足が伸ばされていてイチカはそれに躓いたらしい
「い゙っ…だい゙」
「ししっ、ダッセー」
「ベルちゃん!またアナタってば」
「ベルちゃん?」
「スクアーロが任務に行ってる時にボスが連れて来たのよ
ベルちゃん、ご挨拶は?」
「挨拶?んなのしないよ、だって俺王子だもん」
見る限り相当な悪餓鬼だなぁ
可愛げねぇし
「っ、い゙だっ、えぐっ…」
「ししっ、泣いてやんの〜♪」
どうやらイチカはベルに泣かされて居るらしい
この様子からするとベルが入ってからずっとかぁ
転んだままの状態で起き上がる気配もなくまた泣き始めたイチカ
「ゔぉぉい、イチカ」
「ズクっ、いだいっ」
体を抱き起こしてやると唇をギュッと噛み締めて抱きついて来た
ったく、イチカもしょうがねぇなぁ
「イチカ、お前後輩に虐められてんのかぁ?」
「年は、ベルっのが、お兄ちゃん…だよっ?」
「ヴァリアーではお前のが先輩じゃねぇかぁ」
「だって、ベルが…意地悪するっ」
瞳を潤ませるイチカにため息が漏れた
仮にもヴァリアーの幹部だろうがぁ
泣いてばっかでどうすんだぁ
そんな俺のため息にすら不安を感じるらしいイチカは眉を下げて俺を見つめてくる
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