......




「すっかり暗くなっちゃったね」

「そうですねー。あっ、最後にアレ乗りませんかー?」


フランが指差した先には観覧車

あ…、今日初めてフランから乗りたいって言ってきたかも


「うん!」


スタッフに案内されるままにゴンドラに乗るとゆっくりと昇っていく

うわっ、キラキラしてて綺麗っ

窓に張り付くようにして見ていたのにハッとしてバッとフランの方を振り返った

子供みたいだって茶化されるかもっ


「こんなに綺麗なモンなんですねー」

「…あれ?もしかして初めて乗る?」

「はいー。何か問題ありますー?」

「いや、ない…けど」


観覧車乗った事ない人ってレアじゃない?
子供の頃とかって乗ったりするでしょ普通


「ちっちゃい時から決めてたんですよー」

「何を?」

「観覧車を乗る最初の人は好きな人にしようって」

「へー」


………ん?
好きな人?


「あれー?スルーされちゃいましたー?」


『これでも告白したつもりなんですけどねー』なんて言うフランはいつも通り何でもないような表情


「えっ、へっ…な、に?」

「ミー、先輩の事好きですよー」

「はい?あっと…」

「だからー、ミーはイチカ先輩が「ストップストップストーップ!」

「はいー?」

「分かった!分かったからもう言わなくていいっ」


そんな何回も言われると恥ずかしいじゃんか

あー、顔熱くなってきたっ


「先輩顔赤いですよー?」
「うっ…うるさい」
「で、返事はー?」
「…返事って」
「へーんーじー」

「あーもうっ、分かったよっ」


と…言ったものの何となく気まずい
なんか雰囲気が良すぎてドキドキが止まらない

こんな状態で真っ直ぐフランを見つめて返事が出来る筈もなく星空に顔を向けながら横目で見て呟く





「幸せ、に…してよね?」





それを聞いたフランはさも自信ありげな表情を浮かべたのでした





「そんなの簡単ですよー」





END


......

(先輩って甘いもの食べさせれば幸せを感じるような簡単な人ですからー)

(なっ!)




ねぇフラン、ずっとあたしの事…楽しませて?




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